楽天・藤平が防御率1点台と飛躍したワケ 今江監督のリリーフ転向策が大当たり
楽天・藤平尚真投手(25)が、35試合の登板で15ホールド、防御率1・03と抜群の安定感を誇っている。今季からリリーフに転向し、大きな飛躍を遂げている右腕に好調の要因と現在地を聞いた。 ここ最近で圧巻だったのが、2日のオリックス戦(楽天モバイル)だ。3点リードの八回に登板すると、150キロ超えの直球を連発。このカード大当たりだった森、西川をねじ伏せるなど3者連続三振に仕留めた。「しっかり(腕を)振れば打たれないと思った。気持ちと体が一致した」と振り返っていた。 勝ちパターンの一角として圧倒的な投球を続ける藤平。好調の要因は「1カ月休んで元気だからです。みんなより10試合分くらい少ないので」と語る。5月、開幕からまずまずの滑り出しを見せていた中で左内複斜筋損傷のケガで離脱していた。 もどかしい期間ではあったが頭を整理することができた。今季からリリーフに転向した中で「周りに追いつきたい気持ちが強い分、過労はしていた」とキャンプからのオーバーワークを自覚。「トレーニングに重きを置いていたんですけど、体のケアとかエクササイズを半分くらいの割合にした」調整方法もシーズン中に変えた。 6月末に1軍復帰を果たすと、その後は23回1/3をわずか自責2で防御率は0・77だ。現在はフォームの再現性に手応えを感じ「しっかりタイミングが合うリリースまでの動きが、自分でも分かりながらブルペンで調整してマウンドに上がれている」と納得の様子だ。 今季からリリーフ転向に伴い、登場曲もこれまで使っていた横浜高の先輩である上地雄輔の「ひまわり」からアップテンポの洋楽に変更。「(ひまわりを)卒業したわけでない」と笑い「自分一人じゃなくて球場全体を盛り上げられるように」と変更に思いを込めている。 今江監督のコンバートの末、確実に存在感を増している右腕。「まだやっている最中なので分からない。終わってみて反省したい」と自己評価はまだ先。白熱のCS争いについては「これまでにないような緊迫した場面で投げることもあるとあると思うので、(リリーフ)1年目という名を借りて、怖いもの知らずでやっていければと思う。失敗があっても来年に生かせると思って全部プラスに捉えたい」と力強く話した。(デイリースポーツ・滋野航太)