志賀ころ柿、3年連続30万円 金沢で初競り、最高額「励みになれば」
●出荷は例年の半分 志賀町特産の干し柿「能登志賀ころ柿」の初競りは2日、金沢市中央卸売市場で行われ、12個入り1箱に3年連続で最高額の30万円の値が付いた。能登半島地震で作業場が被災した生産者もおり、出荷量は例年の約半分。猛暑の影響で色づきが遅れたものの、品質は上々で、関係者は「少しでも生産者の励みになれば」と期待を寄せた。 初日は800箱が競りにかけられた。最高値が付いたのは4L(85グラム以上)を12個詰め合わせた最高級規格「プレミアム」で、初競りに持ち込まれたのは初めてで、フルーツ坂野(金沢市)が落札し、近江町市場店で販売する。 坂野浩章社長(45)は「震災や猛暑、大雨で生産者は苦労したと思う。少しでも励みになればうれしい。色つやも良く、お歳暮などに喜ばれそう」と笑顔を浮かべた。 JA志賀によると、元日の地震で、少なくとも7軒の生産農家が柿を干す納屋に被害を受け、今年の出荷を見送った。出荷量は来年1月中旬ごろまでに、例年の半分の約2万箱(約17トン)を見込む。土田茂樹営農部長(52)は「今年のころ柿には、生産者の災害支援に対する感謝の気持ちが込められている。いろんな人に食べてもらい、ほっとしてもらいたい」と話した。