能作(富山)、ジュエリーブランド展開 錫と金配合、独自素材
鋳物メーカー・能作(富山県高岡市オフィスパーク、能作千春社長)は、錫(すず)ジュエリーブランド「NS by NOUSAKU(エヌエス・バイ・ノウサク)」を立ち上げた。錫と金を配合した独自素材を使い、着け心地のいい商品を開発。同社によると錫ジュエリーブランドは世界初という。6日に都内で発表会を開いた。 身に着ける錫製品へのニーズが高まる中、結婚10周年を祝う「錫婚式」のギフトにもつなげようと、2年前からジュエリー開発に乗り出した。微細な作業のノウハウが乏しかったため、昨年7月に貴金属装身具生産のユーボネクス(新潟県)を買収し、商品化を実現した。 錫はジュエリー素材としては軟らかすぎるため、銀やプラチナなど他の金属との混合を模索。錫の特長を損なわない金を3%配合した。肌へのなじみが良く、長時間着けても重さによるストレスを感じさせないという。 デザインは建築家の永山祐子さん(東京)が担当。リボンをイメージし、男性も使えるようにした。
同日、オンライン販売を始め、20日には都内にブランド直営店を開く。イヤリングやネックレスなど約25点をそろえ、価格は2万台~4万円台が中心。将来的は同社で22億円を売り上げるインテリア、食器類に並ぶ主力部門に成長させたい考えで、能作社長は「鋳物の伝統を受け継ぎつつ、ジュエリーを新しい軸としたい」と話した。