“肉食?”情報も…クマの目撃相次ぐ北海道『ハンタードローン』も新導入
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北海道では10日もクマの目撃が相次いでいます。クマの目撃件数を比較すると、統計史上過去最多の件数を記録した去年と同じペースで、今年は推移しています。北海道では、クマへの新たな対策を導入しました。 ■“肉食?”のクマ情報も… 10日朝、広尾町を走っていた車から、国道を横切るヒグマが目撃されました。すぐ側には牧場があります。 近くの牧場主 「うちみたいに昼夜放牧なんてできなくなる。前はずっとそこ森だった。森だから隠れて来ていたけど、今は大変だわ。クマも渡るの」 去年、過去最多の目撃情報が寄せられた北海道のヒグマは、今年も同じペースで推移しています。 名寄市ではここ最近、肉の味を覚えたかのようなクマの情報もあります。食肉加工場の監視カメラには、麻袋をずるずると引きずって持ち去るヒグマが捉えられていました。袋のなかには、肉を包んでいたビニールや、加工に使われた手袋などが入っていたといいます。この食肉加工場では10日前、木製の囲いの中で保管していた牛の皮が荒らされました。 マルハニチロ名寄工場 川崎郁雄さん 「皮までエサの代わりになるのかと。エサになり得るものがあるので、気を付けなければいけない」 肉への執着といえば、野生のヒグマとは全く異なる食習慣を身に着けて、66頭の牛を襲った『OSO18』が記憶に新しいところ。10日前から被害が出ている名寄市の食肉加工場から1キロほどの場所には、学校や住宅地が広がっています。市内では過去最多ペースで情報が寄せられていて、なかには住宅地に近い場所もありました。もし肉の味を覚えたクマが人の生活エリアにまでやって来たら…。 女性 「おっかなくてね。寝ていても、外でカタっとしたら、びくっとする」 ■対策の切り札?ドローン導入 決断した農家もいます。約170万円する『ハンタードローン』の導入です。 ソバ農家 水間健詞さん 「遠隔操作で追い払えるから、クマに接近しなくていい」 今年も畑にはすでに被害が出ています。 ソバ農家 水間健詞さん 「全面踏まれて、全く収穫できないのが、ここ10年ぐらい続いていて。1年間の苦労が無駄になっちゃうので」 ハンタードローンの活用を進めているのは、ドローンスクールも運営する、地元の自動車学校です。 名寄自動車学園 和田敏明社長 「クマが人の声、犬の声には非常に反応する。試行錯誤しながら、対応はこれから考えていかなければ」 先週、道内で初となる協定を結びました。市街地にクマが出没したら、市と警察署で情報共有して対応を協議。ドローンが必要と判断すれば、市が自動車学校に出動を要請する形です。ただ、皆さん複雑な思いも…。 ソバ農家 水間健詞さん 「まだうちは作物の被害だけ。悔しいけども許せる。人に被害があると考えたら、親のかたき、家族のかたきになる。僕らにとっても不幸、クマにとっても不幸だと思う。お互い接触しないようにしたい」
テレビ朝日