『百円の恋』中国リメイク版『YOLO 百元の恋』7月5日公開へ 足立紳&武正晴のコメントも
『百円の恋』を中国でリメイクした映画『YOLO(英題)』が、『YOLO 百元の恋』の邦題で7月5日より新宿バルト9ほかで全国ロードショーされることが決定した。 【写真】『YOLO 百元の恋』公開時、満員の中国の映画館 本作は、2014年に公開された安藤サクラ主演映画『百円の恋』の中国リメイク版。オリジナル作品となる『百円の恋』は、32歳になっても実家にひきこもっていたが、とあることがきっかけでボクシングの練習をする男性に興味を持ち、自身もボクシングに挑戦する女性の姿が描かれた。主人公の斎藤一子を演じた安藤は、日本アカデミー賞最優秀主演女優賞のほか、国内外あわせて21個の映画賞を受賞した。 中国リメイク版となる本作は、中国で2024年2月10日に公開され、2月10日から18日までの春節期ナンバーワンヒット作に。さらに中国のボクシング人口が増加する社会現象も巻き起こった。また、中国でリメイクされた日本映画の最高興行収入記録も更新。最終興収は約35億元(=約730億円)を超え、アメリカを含む世界累計興行収入は740億円を突破した。 32歳、無職で実家に引きこもる筋金入りの怠け者ドゥ・ローイン(ジャー・リン)はある日、出戻りの妹と大喧嘩をし、とうとう家を出る羽目に。偶然出会ったボクサーのハオ・クン(ライ・チァイン)に一目惚れし、ボクシングを始めることになったが、試合に負けたクンはジムを辞め、ローインの前から姿を消してしまう。「一度は勝ってみたい」何もかも失ったローインは、ボクシング大会への出場を決意するのだが……。 監督・主演を務めたのは、中国漫才や舞台喜劇などで活躍し、2021年に『こんにちは、私のお母さん』で監督デビューしたジャー・リン。中国のSNS「Weibo」のフォロワーは1770万人を超えており、本作の公開により、中国映画史上興行収入100億元(2000億円以上)を超えた4人目の女優となった。 そんなジャー・リンが『百円の恋』で主演を務めた安藤に感銘を受けたことをきっかけに、中国の映画会社が東映グループにリメイクのオファーをして本作の制作決定。『百円の恋』で脚本を手がけた足立紳と武正晴監督、プロデューサーの佐藤現が監修として制作段階から参加した。ジャー・リンは本作の撮影のために1年以上メディアには出演せず、撮影前には体重を20kg増やし、本編の撮影と並行して過酷なトレーニングを続け、約9カ月かけて50kg以上の減量を行った。また、本作には“中国の国民的コメディアン”のジャー・リンらしいコメディ要素も含まれている。 邦題の「YOLO」とは、「人生は一度きり」という意味で、本作がアメリカで公開された際のタイトルにもなった、「You Only Live Once.」の頭文字を取っている。また、ジャー・リンが本作の主人公に自分自身の生きざまを反映させ、作品を通して観客に伝えたかったメッセージでもあるという。 あわせて本作のポスタービジュアルと予告編も公開。予告編では、最初は一発のパンチで倒されていたローインがさまざまな辛い経験を乗り越え、次第に精神的にもボクシング選手としても強くなっていくさまが描かれている。 さらに、『百円の恋』の脚本と監督を務め、本作には監修として参加した足立と武監督からコメントも到着。足立は「10年前の公開時もワクワクした気持ちでいっぱいでしたが、今はそれとは別のワクワク感でいっぱいです」と喜びを語り、武はこれまでを振り返りながら「映画を信じてきて良かった。ジャー・リンさんの情熱をどうか客席で浴びまくって欲しい」と期待を寄せた。 また、ムビチケオンライン券が6月8日から発売開始。デジタル特典として「春夏秋冬モバイル壁紙」がランダムでプレゼントされる。作中で描かれるジャー・リンのトレーニングシーンを季節ごとに切り取ったビジュアルデザインとなっている。 コメント 足立紳(『百円の恋』脚本) 『百円の恋』の公開から10年、まさかこんな形で新たに生まれ変わった作品が日本で公開されるとは夢にも思いませんでした。 10年前の公開時もワクワクした気持ちでいっぱいでしたが、今はそれとは別のワクワク感でいっぱいです。 『YOLO 百元の恋』の放つ強烈なパンチをどうぞ劇場に浴びにきてください! 武正晴(『百円の恋』監督) 2011年、足立紳さんがシナリオを書いて来てくれた。喫茶店で読後、「足立やったな」と震えた。 2012年、周南絆映画祭の大橋広宣さんが読んでくれた。黒澤満さん、丸山昇一さん、松田美由紀さんが松田優作賞に選んでくれた。 2014年、安藤サクラさんがシナリオを読んで、オーディションに来てくれた。 10年後、中国のジャー・リンさんが、主演、監督でリメイクしてくれた。 監督、スタッフの『百円の恋』への愛とリスペクトに包まれた『YOLO 百元の恋』に胸が熱くなった。映画を信じてきて良かった。ジャー・リンさんの情熱をどうか客席で浴びまくって欲しい。
リアルサウンド編集部