ヤンキースのアーロン・ジャッジ（2024年7月15日撮影）

　「スターウォーズ」と呼ばれる「ドジャースVSヤンキース」のワールドシリーズ（＝WS、7回戦制）は、25日（日本時間26日）からドジャースタジアムでスタートする。今季メジャー最多の58本塁打を放ち、09年以来15年ぶりの世界一を目指すヤ軍の主砲アーロン・ジャッジ外野手（32）は22日（同23日）の記者会見で、ド軍大谷翔平投手（30）を「球界でベストの選手」と絶賛。東西の盟主、両リーグの本塁打王が対決する大舞台への意気込みを語った。 【写真】大谷の愛犬「デコピン」、下はジャッジの愛犬「ガス」 　　　　◇　　　◇　　　◇ 　会見場の壇上で大谷についての質問を受けたジャッジは終始、柔らかい笑みを浮かべていた。これまで幾度となく、聞かれた問いでも、嫌な顔ひとつすることなく素直な思いを口にした。「彼は打率も残せるし、パワーも、スピードもある。50盗塁を達成した今年、彼がやったことは多く語られてきた。でも、まだ語り尽くしていない。彼は印象的なアスリートで、球界でベストの選手。このスポーツの大使だ」。社交辞令ではなく、リスペクトのこもった言葉を並べた。 　大谷だけでなく、ジャッジにとってもWSは初舞台。その相手がド軍で、しかも看板選手がナ・リーグで本塁打王の大谷であれば、ワクワクするのも当然だった。「彼がダイヤモンドを駆け巡るのを見ることは、このシリーズを見る若者やすべての子供たちにとって、すばらしいモデルになるだろう」。自らやチームだけでなく、球界全体の発展、繁栄を願う姿勢も、大谷との共通点と言っていい。 　過去6年間は、同じア・リーグでライバルとして戦い、オールスターでも競演するなど、互いに認め合い、尊敬し合う関係を築いてきた。「ここ何年か公式戦で戦い、彼が僕の頭上を越える本塁打を打つのを見てきた。だが、最高の舞台、最高の瞬間でプレーできる機会を見られるのは、かなりクールなことだね」。 　6月のニューヨークでの直接対決3連戦では、ヤ軍が1勝2敗と負け越したものの、WS前哨戦として注目され、試合展開も白熱した。その両軍が世界一のタイトルをかけて頂上で対決する。ジャッジにすれば、「投手大谷」と対戦するわけではなくとも、両雄対決として脚光を浴びることに異論はない。「ここに来た時点で、本当に楽しみになってきたよ」。大谷と2人でシリーズを盛り上げる覚悟は、すでに固まっていた。