相模原に宴会場〝復活〟 コロナ禍で相次ぎ閉業、地元の要望受け小田急がホテル内に開設
相模原市に宴会場が〝復活〟する。小田急電鉄は、相模大野駅(同市南区)に直結するホテルを一部改装し、最大900人収容の宴会場が来年9月に開業すると発表した。同市には宴会場を備えるホテルが2カ所あったが、新型コロナ禍で閉館や業態変更に追い込まれ、政令指定都市ながら、飲食を伴う大規模なパーティーの開催が難しくなっていた。小田急は「相模原唯一の宴会場として、地域コミュニティーの活性化に貢献したい」としている。 【写真】相模原市の玄関口、相模大野駅の真上に宴会場がオープンする ■最大900人を収容 宴会場が開設されるのは「小田急ホテルセンチュリー相模大野」で、飲食業のコンサルティングなどを手がける「キープ・ウィル・ダイニング」(東京都町田市)が運営。7、8、10階の一部を、飲食店などが集まる空間「ゲートウェイ・さがみはら」として段階的にリニューアルする。 パーティーや会議、セミナーなどの会場として利用できる大中小3つの部屋を用意。音響、照明、プロジェクター、スクリーン、控室といった設備を備え、3室すべて使うと最大900人の会合を開ける。 まず会議室や貸しスペースとしての利用受付を12月7日に始め、立食ビュッフェ形式の宴会は来年9月、着座形式の宴会は令和8年3月から受け付ける。 ゲートウェイには宴会場のほか、本格的なレストラン料理を楽しめるダイニングや〝大人の隠れ家〟をコンセプトにしたバー、相模牛のしゃぶしゃぶを中心とした和洋折衷の料理店、焼きたてパンと焼き菓子の店が来年2月にかけ順次開店する。 ■地元の要望強く 相模原市では、昭和40年に開業した「ホテルラポール千寿閣」が令和3年に閉館した。最大800人収容の宴会場を2つ備えていたが、結婚式の利用が減った上に新型コロナ禍で会合が開かれなくなり、事業継続を断念した。 また小田急ホテルセンチュリー相模大野も宴会場を営業していたが、同じ事情で同年に「宿泊特化型」へ業態を変えている。 新型コロナ禍が収束し、大きな会合も開かれるようになってからは「隣の町田市のホテルを使うしかなかった」(商工関係者)という。小田急の担当者は「宴会場の再開を希望する地元の声が多かった。相模原の玄関口にふさわしい〝集いの場〟にしていきたい」としている。(山沢義徳)