生田絵梨花の姿に胸を締めつけられる 『素晴らしき哉、先生!』で考える“先生の自由”
りお(生田絵梨花)を見ていると気づく“先生のリアル”
よく考えたらそんなわけがないのに、先生は産まれたときから正しい行いしかしないものだと思っていた。学校で叱られたこともなければ、もちろん二人乗りなんかしたこともない。飲み屋でハメを外すことだってないし、失恋したとしても次の日には切り替えて仕事に集中できるものなのだ、と。しかし、りおを見ていると、先生だっていっぱいいっぱいのなかで生きていることに気づく。 「失恋したときとか、離婚とか、親の死とか。先生って、そういうのどう乗り越えてんのかなぁって」 思い返せば、先生がプライベートなことで落ち込んでいる姿って見たことがない。きっと、先生たちも知らない間に失恋していたり、身近な人の死を経験していたり、「もう、笑ってらんないわ!」と思いながら、教壇に立っていた日もあったのだろう。学生時代に『すばかな先生』が放送されていたら、もっと先生のことを思いやれたかもしれない。 「先生なんて、やんなきゃよかったなぁ。生徒たちの前で平気なフリしてるの、ほんとキツいです」と言いながら、ストレス発散がうまいりおは、クラブではしゃいだりしながら、すべてを笑いに変えていく。そんな姿を保護者が見たら、「先生らしくない行動はやめてください」と釘を刺してくるのだろう。でも、『すばかな先生』で教師のリアルを知った今なら思う。「憂さ晴らししてはダメですか? 先生だって人間だから」と。
菜本かな