<箱根駅伝速報>青学が圧巻独走で史上6校目のV3達成!
第93回箱根駅伝の復路が2日、箱根・芦ノ湖から東京・大手町までの5区間109.6キロのコースで行われ、往路を制した青学が、復路でも一度も首位を譲らない独走を続けて3連覇を果たした。3連覇は、史上6校目の快挙。10月の出雲駅伝、11月の 全日本大学駅伝に続き史上4校目のシーズン3冠も成し遂げた。 往路を制した青学の勢いは止まらなかった。 6区では小野田勇次(2年)が力強い走りで、33秒差でスタートした2位、早大・石田康幸(3年)を2分8秒差に引き離した。3位の順大が3分49秒差、4位が4分34秒差で東洋大、5位が5分24秒差で神奈川大、6位に中央学院大と続いたが、7位には、58分1秒の区間新記録を作った日体大の秋山清仁(4年)が、6人抜きで浮上、続いて法大の佐藤敏也(1年)が4人抜きで8位まで順位をあげて7区へタスキをつないだ。 だが、その7区(21.3キロ)で青学がエントリー変更で7区に起用した田村和希(3年)に異変が発生した。16キロ手前地点から表情が変わりペースダウン。胸に手をあてて蛇行した。それでも足は止めず、8区につないだが、2位の早大との差は1分21秒に縮まった。東洋大の小笹椋(2年)が3位に順位を上げ4分10秒差、続いて神奈川大、日体大は5位まで順位を上げてきた。気になるシード権争いでは、東海大の石橋安孝(4年)が、区間賞を獲得して11位に浮上した。 平塚から海岸を通り戸塚までの8区(21.4キロ)では、青学の下田裕太(3年)が立て直した。97年以来破られていない区間記録に肉薄するような素晴らしい走りで2年連続の区間賞をマーク。2位の早大・太田智樹(1年)との差を5分32秒差にまで大きく広げた。 「原監督からは、“ゆっくり行け”と言われたのですが、区間新を意識して少しハイペースになりました。弱い風が吹いていて最初は気にならなかったのですが、坂で足にきてから、その風が気になってペースダウンしてしまいました。15キロまで攻めることができたのに、ラストは動きませんでした。力不足。でも次につながるかなと思います。(7区の)田村は、3年間一緒に走ってきて暑いのが苦手なので、もしかしたら(失速する)とも思っていました。その分、取り返してやろうと。来年は秋山さんもいなくなるので、往路を走れればなと思います」。下田は、自らの走りをそう振り返った。 3位は東洋大、4位は神奈川大。両チームの差はわずかに6秒。また東海大の春日千速(3年)は、帝京大との54秒差を逆転、10位に上がってきたが、その差もわずか2秒。9位の駒大から18秒差という熾烈なシード権戦いだ。 復路のエース、下田の頑張りで余裕が生まれた青学は、鶴見までの9区(23.1キロ)もトップをハイペースでキープ。2位との差をさらに6分30秒まで広げて、最終区へタスキを渡した。2位の順位は東洋大の野村峻哉(3年)が17.5キロ付近で早大を抜き去り入れ替わった。 青学は、ゴールの大手町までの10区(23.0キロ)もアンカーの安藤悠哉(4年)が安定した走りで独走。青学は7区にあったアクシデントをものともせず圧倒的な強さを見せてフィニッシュした。 総合優勝タイムは、11時間4分10秒。2位の東洋大に7分21秒差をつけてのV3だった。 以下、3位・早大、4位・順大、5位・神奈川大、6位・中央学院大、7位・日体大、8位・法大。10位以上のチームに来季の出場シード権を与えられる注目のシード権争いは、駒大、日体大、東海大が、壮絶な8位争いを演じたが、9位・駒大、10位・東海大となった。11位で追った帝京大は、10区で大きく離され、数秒で“天国と地獄”を分けるようなドラマは生まれなかった。