『虎に翼』“結婚”と“家族”を考え直す展開に 誰もいないことにしない吉田恵里香の脚本
轟(戸塚純貴)の同性愛をしっかりと描いた意義
航一のプロポーズからから2カ月が過ぎ、原爆裁判の第1回準備手続の日。結婚についての意見を求めに、よね(土居志央梨)と轟(戸塚純貴)のいる法律相談所を訪ねた寅子は、轟がソファーで男性の肩にもたれ、手を繋いで居眠りをしているのを目撃する。寅子の気配に飛び起きる轟。隣にいたのは、遠藤時雄(和田正人)。「今、俺がお付き合いしているお方だ!」と轟は遠藤を紹介をするが、寅子は動揺を隠せない。昭和の時代であれば、当然の反応だろう。 次週予告で、竹もとにて魔女5を含めた明律大のメンバーによる同窓会が開かれているのも気になるが、ここで特筆したいのは轟の同性愛を朝ドラで恐れずに描いたこと。花岡(岩田剛典)に抱く特別な感情から同性愛者であることは以前から示されていたが、このタイミングで公表することで結婚とは何か、永遠を誓わない愛とは何かともリンクしてくる。誰もいないことにしない吉田恵里香の脚本とそれにGOサインを出した制作陣に拍手を贈りたい。
渡辺彰浩