「一生シワのない顔でいたい!」10代もシワ予防のためにボトックスを打つ時代に その危険性とは?
一生続くボトックス課金に10代も手を出すように
Z世代の若者の間で、「予防的に」少量のボトックスを使用する「ベビーボトックス」が流行している。 【画像】Z世代の未来は「まったく老けないのがスタンダード」に? このトレンドは、ソーシャルメディアやリアリティ番組を通じて広がったもので、10代、20代という極めて若い、本来シワなど気にしなくてよい年齢の人たちが「シワ」に執着する傾向を生み出している。 TikTokでは、「#botox」(ボトックス)のタグが130万件以上に増えており、米国顔面形成外科学会の2022年の調査によると、顔面形成外科医の約4分の3が、美容整形や注射を希望する30歳未満の患者の数が増加したと報告していると、米紙「USAトゥデイ」は報じている。 また、米誌「アトランティック」によれば、ボトックスや同様の注射を受けた20代は、2019~2022年にかけて71%増加しており、それよりも増加率が高いのが19歳以下の若者で、同年に75%増えた。2023年はさらに増加したという。 シワを治療する従来のボトックスとベビーボトックスは、治療するか、予防するかという「目的の違い」こそあるが、どちらのボトックスも筋肉麻痺剤が含まれた注射で、その作用は「顔の筋肉の動きを止めることでシワの形成を防ぐ」というもの。 その持続期間は「3~4ヵ月ほど」で、米国での一回の施術の平均金額は435ドル(約6万4000円)だという。 シワ予防の効果を最大化させるには、この注射を年に3回ほど打つことが推奨されており、シワと無縁でいるためには「ほぼ一生、これを続けなければならない」と、専門家は同誌に語っている。 国や地域によっては、18歳未満に対するボトックス注射が非合法であるところもあるが、たとえば英国でボトックスが合法的に受けられない若者は、より法律が緩いウェールズに「ボトックス旅行に行く」という風潮も生まれているようだ。 一体、若者をここまでかり立てているものは何なのか?
「まったく老けないことが標準になりつつある」
「アンチエイジングツールは、かつてないほど、魅力的でアクセスしやすいものになっており」、それが流行を後押ししていると、同誌は述べている。 だが、この流行が「若者に不老長寿を追求するプレッシャーを与え、不要な不安を植え付けるもの」であるのは否めない。 「かつては見た目が若々しいだけで充分だったが、最近は、まったく老けないことが標準になりつつある」 20代前半、あるいは10代の若者にとって、「ボトックス課金」の経済的な負担は大きい。にもかかわらず、彼らの多くが出費を惜しもうとしないのは、「その出費を正当化しているからだ」という。 ボトックスはレーザー治療やメスを使う大掛かりな美容整形よりは安価であり、また、効果が曖昧な1万円以上するアンチエイジング・クリームよりは「賢明な選択」として考えられているようだ。 だが、10代の肌にボトックスは本当に必要なのだろうか? これに関しては、専門家の間でも意見が分かれている。 少量のボトックスを始めるのに「早すぎる年齢はない」という人もいれば、「10代や20代前半の肌はまだコラーゲンが豊富なので、どんなに顔を動かしてもシワはできない」、つまり「ボトックスから受けられる恩恵は少ない」と説く人もいる。 後者のような専門家は、こう語っている。 若々しく健康な肌を望むZ世代にとって、ボトックスよりはるかに安価で効果があるのは、「毎日日焼け止めを塗ること」。 あとは「水分を補給し、タバコやアルコールを避けるのも効果がある」。
COURRiER Japon