大阪・性同一性障害の男女によるブライダルショー話題に
同性婚が「全米州で合憲」となって話題を呼ぶ中、このほど大阪の音楽事務所「レインボーミュージック」に所属する歌手で花嫁モデルでもある麻倉ケイトの企画、プロデュースで性同一性障害の男女によるブライダルショーが行われた。大阪市西区のレストランウエデイング施設「エブリワン」で開催されたものだが、このようなショーは全国的にも珍しく、今回で4回目。地元大阪だけでなく、東京や三重県など遠方からの参加者も多く、関係者らは「理解はまだまだされていない。受け入れてもらうことが大事だし、もっと広めていきたい」と訴えている。
自分の場所見つけにくい、でも活躍の場はある
去る6月26日、アメリカで同性婚が認められた。アメリカのすべての州で同性婚を認めるかどうかを争った訴訟において、連邦最高裁は「結婚の権利がある」とする判決を言い渡したのだ。同性カップルが結婚する権利は米国憲法で保障され、これを禁止する法律は違憲だと判断したということ。そんな直後の開催だっただけに、会場は大いに盛り上がった。 レインボーミュージックの叶ともみ社長は、「性別に違和感を持っている方々に幸せな気持ちになって頂きたいと始めました。今回で4回目なんですが、自分の場所をまだまだ見つけにくい。でも、活躍の場はあると思います。性別について悩んでいる人が一歩前に踏み出せるきっかけになればと思います。それと、世間の人たちに自分たちのことをもっと知って欲しいということで、どんどん表に出ていく機会になればと思っています」と、挨拶した。
“人前結婚式”を挙げたカップルも
LGBT(レズビアン・ゲイ・バイセクシャル・トランスジェンダー)についての説明やフラワーコーディネーターの三原京子さんによる、髪に生け花をいける“髪デコ”の実演などもあり、その後ブライダルショーが実施された。 司会はカール(ゲイ男性)で、“人前結婚式”を挙げたカップルは知香さん(21)と和真さん(22)だった。性同一性障害の新郎は今年4月に大学を卒業し、社会人になったばかり。新婦は現役大学生だ。 和真さんは女の子として産まれたが、3~4歳の頃から好きなオモチャは男の子のものだった。「小、中学校でも、スカートが嫌でずっとズボンだった。就職先にもカミングアウトして入社しました。理解をして頂いてます」。さらに「僕はちかちゃんと出会うことで、人として成長することができました。まだまだ子どもで、自分のことばかり考え、突っ走る癖のある僕だから、これからも横で支えて欲しいと本気で思いました。進むペースはお互い全然違うかもしれない。でも、同じ方向を向いて進むことはできると思います」と話した。 一方の新婦も、「どんなことにも前向きなところに惹かれました。一緒にいるうちにいいところだけではなく、弱い部分もお互い見せ合い、向き合うことでここまできました。進むペースは違っても同じ方向を向いて歩いていきたいと思います」と、語った。 互いの親にも報告済みで、今後は本当の結婚式を挙げたいという。