阿部巨人のキーマン 吉川尚輝は「恐怖の八番打者」で輝けるか
木浪の働きぶりを絶賛した指揮官
岡田監督は、週刊ベースボールのコラムで木浪の働きぶりを絶賛している。 「まず八番という打順の役割を、すべて分かっていた。八番という打順は軽く見られがちだが、決してそうではない。打線に流れがある中、八番によってそれがうまくつながり、機能する面白さがある。それを木浪は理解できていた。例えば二死で回ってきたら、なんでもいいから出塁して九番の投手まで回す。これで攻撃が終わっても、次は一番から始まる。そういう形づくりができる打順であり、先頭で臨んだ場合、ここで出塁し投手の送りバントで、チャンスを膨らませる。2023年、一番・近本の得点圏打率が高かった要因が、八番・木浪の出塁によるものやった」 「オレは八番・木浪を動かさなかった。近本が死球で欠場したとき、一度だけ動かしたけど、それ以外は八番に固定。そのうち、マスコミには『恐怖の八番』と称されるようになり、オールスターのファン投票で大きな支持を集めた。八番という打順では画期的なことやと思うけど、ファンも木浪の働きを高く評価して、オレはそれがうれしかった」 吉川は木浪と同学年の29歳。クリーンアップを担う岡本和真、坂本勇人、上位を打つ門脇誠に注目が集まるが、吉川が下位打線の核になれるかが、チームの命運を握ると言っても決して大げさではない。 写真=BBM
週刊ベースボール