阪神がドラフトで即戦力投手&遊撃手の欲張りなW指名作戦!
2人は共に右投げ左打ち。。 184cm、80kgの大型ショートの京田は、青森山田高時代には甲子園出場はなかったが、名門高で1年春からレギュラーを張り、楽天などプロが注目していたが、プロ志望は出さずに日大へ進学。1年春からレギュラーに抜擢され、2部に落ちていた昨年春は、打率4割をマーク。今秋は、9試合連続安打を放つなど打率は3割後半をキープ、ここまで盗塁も通算で31個を記録するなど50m5秒9の俊足だ。 もう一人の注目ショートの吉川は、177cm、79kgの体格で、中京高から中京学院大。中京学院大の先輩、広島の菊池涼介と比較される機会が多いが、タイプは違っていて、吉川には菊池のようなフィジカルの強さはなく、派手な天才型。大学8シーズンで3度、4割をマーク、逆方向への打球を意識した今春には.490の高打率を残した。また3シーズン連続で盗塁王を獲得するなど50m5秒7の足もある。 大学侍ジャパンに共に選ばれたが、代表チームでは、より堅実な守備力と肩を評価されて京田がショート、吉川がセカンドを守った。打の方で5番に抜擢されたのは吉川の方だった。 つまり守備力では京田、打撃センスでは吉川。京田は東都で、吉川は岐阜大学リーグというプレーしてきたリーグのレベル差もあって、阪神の評価は京田が上なのだが、久しぶりに出てきた2人の即戦力のショートは、巨人、西武、オリックス、ヤクルトなども狙っていて、ドラフトの行方次第では、どちらかの名前が先に消えている可能性も十分に考えられる。そのため阪神は、あくまでも両睨みで調査、準備を進めている。 昨年のドラフトでは横浜DeNAが1位で今永昇太(駒大)、2位で熊原健人(仙台大)というドラフト1位候補の両獲りに成功して注目を集めた。ロッテも1位では、大型内野手の平沢大河(仙台育英高)を楽天の競合に勝って獲得、2位でも、即戦力右腕の関谷亮太( JR東日本 )を指名、関谷は途中からローテーションに抜擢されて16試合に先発、5勝6敗、防御率5.52の数字を残して、こちらも両獲りに成功したドラフトだった。 言うまでもなく、チームの戦力補強は、外国人、FA、ドラフトの3本柱。FA補強に関しては資金力のない球団は採用できないが、ドラフトがチーム補強に占める割合は大きく、その成否はチーム編成という将来ビジョンにも大きくかかわってくる。阪神が、即戦力投手&即戦力遊撃手のW獲得に成功すれば、万々歳のドラフトになるのだろうが、果たして? (文責・本郷陽一/論スポ、スポーツタイムズ通信社)