奈良東大寺へ「お水送り」 春の訪れ告げる神事、福井
福井県小浜市で2日夜、若狭地方の清水を奈良・東大寺二月堂の行事「お水取り」へ届ける神事「お水送り」が行われた。春の訪れを告げる伝統行事として親しまれている。 小浜市の遠敷川に注がれた「お香水」は地下を通り、10日かけて東大寺の「若狭井」に湧き出るとされている。 この日、同市の神宮寺境内ではほら貝が鳴り響く中、大護摩がたかれた。白装束の僧侶や多くの観光客らがたいまつを手に、境内から遠敷川に沿って行進。約1.8キロ上流の「鵜の瀬」に到着すると住職が竹筒からお香水を川に注いだ。 お水送りは東大寺二月堂が建立された際、全国の神々が招かれた「修二会」に、若狭の遠敷明神だけが漁に夢中になって遅刻し、おわびに清水を送ると約束したとの故事に由来する。