MotoGPの次期レギュレーション改定、KTMは「非常に賢明な決断」と評価。排気量縮小や空力制限が予定
MotoGPは2027年からレギュレーションを変更する予定だ。KTMのモータースポーツ部門を率いるピット・ベイラーは先日、その変更内容の一部を明らかにし「賢明な決断が下された」と語った。 【ギャラリー】新シーズンに向けて本格始動! MotoGPバレンシアテスト motorsport.comでも既にレギュレーション変更の草案については報じてきたが、その柱のひとつとなると見られてきたのは、エンジンの排気量が現在の1000ccから850ccへと小さくされることだった。さらに空力ルールについても大きな変更が加えられると考えられてきた。 KTMのモータースポーツディレクターであるベイラーは、先日行なわれたGASGASのチーム体制発表会で新レギュレーションについて言及し、それらの一端を明らかにした。 「2027年のレギュレーションに関しては、非常に賢明な決断が下されたと感じている」 「(その中の)ひとつやふたつは、もっと早くに変更することに意味があるのではないかと議論すべきかもしれないがね」 「だが基本的には、ライディングスタイルやライディングそのものに影響を及ぼしている極端なテクノロジーを少し取り除き、ブレーキの踏むタイミングや追い抜くタイミング、レースマネジメント、フロントタイヤのマネジメントといったものを決定付ける道具を、我々はライダーにもう少し与えるべきだ」 「しかし2027年に向けてエンジン排気量を減らすことやライドハイトデバイスをなくすこと、ウイングのサイズなどエアロダイナミクスの制限をすることは、全て正しい決断だ。皆も何が起きているか理解しているし、全てが正しい方向に向かっていると思う」 なおレギュレーションそのものにはこうしてポジティブな姿勢を見せたベイラーだが、シリーズのレース数増加については不満を見せている。 「このチャンピオンシップは素晴らしいと思う。そうでなければ我々はここにいない」 「非常に楽しんでいるんだ。スプリントレースが始まり、レースの量が増加した。観客や一般に向けて追加のレースを提供できて本当に嬉しく思う。みんな家で予選やプラクティスよりも、土曜のレースを見ているんだ」 「だが、限界を超えないように非常に気をつけなくてはならない。我々として考えているレース数の希望は、22戦ではなく18戦あたりなのだ。そこらが限界だと思う」 「もちろんこれはグローバルな選手権だから我々も参加したいと思っている。あまり酷く不満を言うつもりはない。ただ我々の考えとしては2~3レースを減らした同じフォーマットでやりたいということは明らかだ」 「スプリントレースについては疑念は抱いていない。このスポーツにとってとても良いものだと思っている」 「大きな栄冠を手にするレースやメディアでのMotoGPの報じられ方を考えれば、これは素晴らしいスポーツだと思う。だから我々は正しいことを続けていくことだけが必要なんだ」 なおMotoGPは2024年第3戦アルゼンチンGPが現地政府の緊縮政策によって開催が危ぶまれているなど、早くもカレンダーに変更が発生する可能性が出ている。
Lewis Duncan