逆さま「Lee」は1着で2度おいしいデニム。ビューティフルピープルとのコラボで見せた驚きの技法
「コム デ ギャルソン」でパターンを担当していた熊切秀典氏が2006年に立ち上げたブランド「ビューティフルピープル」。ファッションにおける既成概念や先入観を解き放つデザインを武器に、日本のファッショントレンドを牽引するブランドだ。 そんな「ビューティフルピープル」が、このたび100年以上の歴史を誇るデニムブランド「リー」とコラボレーションを実現。「リー」を代表する2つのブルゾンと名作デニムパンツが、「ビューティフルピープル」の革新的なパターンワークによって、1着で2つの着方を楽しめるアイテムとして生まれ変わる。
上下逆さに着ることで別シルエットに変身!
「ビューティフルピープル」が2021年より提案しているのが、”ダブルエンド”という技法。 ”両頭”を意味する言葉で、1着の服を上下逆さにして着ることで異なるシルエットを楽しめるという革新的なアプローチだ。今回の「リー」とのコラボレーションでは、このダブルエンドの技法を取り入れたジャケットとパンツの2アイテムが登場する。
両ブルゾンがベースとしているのは、ともに「リー」が誇る名作で、左が「101-J」、右が「91-J」だ。
上下逆さまにして着ることができるダブルエンドの技法を取り入れることで、もともとカウボーイにフォーカスして作られた「101-J」、機関車に携わる鉄道労働者向けに製造した「91-J」という、用途もデザインも全く異なる2つのジャケットを1着に共存させたというのだから驚きしかない。
上の写真を見れば一目瞭然。「101-J」の象徴であるフロントのジグザグステッチが、「91-J」では裾部分に移動しているのだ。
そしてパンツは、「リー」の名作デニムパンツ「101-Z」とペインター型パンツ「11-Z」がベースに。 「101-Z」といえば、50年代当時に人気絶頂にあったアメリカの俳優、ジェームス・ディーンが愛用したことでまたたく間に世間に広まった伝説の一本。
それまでワークウエアとして捉えられていたデニムを、一躍ファッションアイテムへと押し上げた立役者だ。