思わず胸が痛くなる…『まんが日本昔ばなし』偉大な母の愛を感じるエピソード3選
日本に伝わる「昔ばなし」に焦点を当て、子どもにもわかりやすくアニメ化していた『まんが日本昔ばなし』。筆者も幼少期、市原悦子さんと常田富士男さんの優しい語りに夢中になったものだ。 ■【画像】「怖くて眠れない」『ゲゲゲ』に『まんが日本昔ばなし』も…1位は? 子どもの頃に見た「トラウマアニメランキング」■ 今日は「母の日」ということで、そんな『まんが日本昔ばなし』のなかから、偉大な母親の愛情を感じるエピソードをご紹介していこう。
■甘い水が湧き出る不思議な泉の物語『子育てのいずみ』
福井県にある霊泉寺には、かつて甘酒のような甘い水が湧き出ていたと言われている池があったという。このお寺に伝わる伝承をモチーフにしたのが、『子育てのいずみ』というエピソードだ。 本エピソードでは、母を亡くした太郎という少年と、彼のもとへやってきた新しい母親が登場する。太郎の新しい母親は、のちに生まれた太郎の弟たちと太郎を分け隔てなく接し、母親としてよく頑張っていた。 その後すぐに夫を亡くしてしまうのだが、それでも変わらず子どもたちをかわいがり、よく働き、奮闘していた母。しかし、彼女には“すぐに怒ってしまう”という悪い癖があった。 そしてある日のこと、母は太郎をひどく叱って家から追い出してしまう。すぐに我に帰るも、太郎は待てど暮らせど戻らない。彼女は仏様に毎日祈りながら、太郎の帰りを待っていた。 季節が移りかわったころ、やっと家に戻った太郎は、長い時間帰らなかったわりにはすくすくと成長していた。実は太郎が生き長らえた理由が、霊泉寺から湧き出ていた「甘い水」を飲んでいたからというものだった。 このエピソードでとくに印象的だったのが、母親の太郎に対する愛情だ。彼女は太郎の義理の母親にあたるわけだが、彼を本気で愛し、本気でぶつかっていたように思う。些細なことで怒り幼い子どもを家から追い出すなんて令和の現代では考えられない話だが、彼女は自分のおこないを心底後悔し、太郎の無事を祈っていた。 彼女のとった行動には賛否両論あるだろう。しかし母親といえど1人の人間で完璧ではないし、間違った行動をとってしまうこともある。太郎を追い出したあと、母親が彼を探し回り、長い間祈りながら帰りを待つその姿に、深い母親の愛情を感じてしまった。