麿赤兒、盟友・唐十郎さん悼む「唐との出会いは私の人生の最大にして最深の劇的出来事であった」
劇作家で「劇団唐組」主宰の唐十郎(本名・大鶴義英)さんが4日、東京都中野区の病院で急性硬膜下血腫のため死去した。84歳だった。唐さんとともに60年代、演劇界に大きな影響を与えた麿赤兒(81)が5日、自身が主宰する舞踏集団「大駱駝艦」の公式フェイスブックで追悼した。 麿は「唐十郎氏の訃報を聞いた。言葉になる前に、あの六十年代、唐と駆け抜けた時間がドドドッと脳裏に蘇った。唐との出会いは私の人生の最大にして最深の劇的出来事であった」と出会った当時を振り返った。「そして今思うのは、彼は二度の死を受け入れたのではないだろうか。一度目は12年前に倒れ、まさに彼の命である戯曲の言葉を絶たれた事だ。このことの私の悔しさ寂しさは、今日、彼の悲報に触れて何倍にも私の胸を打つ」と、12年に自宅で転倒し、以後は舞台に立つことがかなわなかったことに言及した。 思いを受け継ぐ「劇団唐組」は5日も公演を行っている。「唐組の芝居が期せずして東京で行われている。劇団員の心いかばかりかと思う。心からエールをおくりたい。ここには唐十郎の劇世界が厳然と生きているのだ。ゆっくり眠ってくれ、何また会えるさ!」とメッセージを寄せた。
報知新聞社