天皇杯決勝で屈辱の大敗も琉球ゴールデンキングスで爪痕を残した叩き上げ、荒川颯の感謝「キングスに育ててもらったと思っています」
「キングスを背負ってプレーし、自分が流れを持っていけるように」
練習生からのステップアップについて聞くと、荒川は「どんな物事でもポジティブに考えられるようになりました。自分に起こっていることは、全て自分を良くするための出来事と捉えられるようになりました。そこは人間として成長できている部分です」と、自身の内面に起きた変化を語る。 もちろん今日の大敗には反省すべき点がいろいろとある。だが、どんな物事もポシティブに捉える荒川はこの悔しさをさらなる成長への糧にできると語る。「(富樫勇樹を抑えることができなかったが)富樫選手に流れを作らせないくらいのディフェンスができるようになれば、トップ選手の仲間入りができます。ポシティブに考えれば、富樫選手と(大舞台で)マッチアップできるところまで来ることができました」 そして、次のように前をしっかり向いている。「下を向いている暇もないですし、ここまで来たんだぞという思いです。キングスを背負ってプレーし、自分が流れを持っていけるように。遠慮なんてしていられないと楽しみな気持ちです」 また、荒川が強調するのは琉球への感謝だ。練習生からプロ契約、そしてローテーション入りと、居場所をつかみとったのは彼自身の努力によるものだが、「ディフェンスで評価されるなんて全く思っていなかったので、キングスに育ててもらったと思っています。今の恵まれた環境でやらせていただいていることに感謝していますし、もっと結果で恩返しをしていきたいです」と語る。 大きなショックとなる敗戦を喫した琉球だが、Bリーグは水曜日に再開と落ち込む暇すらない。ここから立て直しを図るためには、ディフェンス職人であり、ハンドラーとしても成長している荒川の貢献も必要となってくる。そして、ハングリー精神に溢れ、成長に貪欲な荒川の姿はメンタル面においてもカンフル剤として大きな効果をもたらすはずだ。
鈴木栄一