【尼崎ボート・SGグランドチャンピオン】人気を背負った土屋智則が逃げ切り2度目のSG制覇
〝俺がキング・オブ・SG〟だ-。尼崎ボートで開催された「SG第34回グランドチャンピオン」は6月30日、第12Rで優勝戦が行われ、1号艇の土屋智則(39)=群馬=が逃げ快勝。昨年3月の平和島クラシックに続く2度目のSG制覇を飾った。優勝賞金3600万円を加算し、賞金ランクは5位へ浮上。2年連続2度目のグランプリ(住之江で12月17日開幕)出場に〝当確ランプ〟がともった。2着は宮地元輝(佐賀)、3着は池田浩二(愛知)が入り、3連単は1番人気(❶❷❹=1140円)の決着となった。 ◇ 梅雨時に晴れ間がのぞいたセンタープールに、笑顔の花が咲いた。2年連続3度目の出場でポールポジションを獲得した土屋が力強く逃げ快勝。昨年3月の平和島クラシックに次ぐ2度目の頂点に立った。 「いままで経験したことがないくらいファンがいらっしゃって、その声が力になりました。レースは完璧。100点です」 数多く詰めかけた熱狂的なファンの声援がVを後押しした。インからコンマ13のタイミングだったが「ハナを切る」と宣言した通りに真っ先にスリットを通過すると、差させず、まくらせず一気に独走。万雷の拍手を受けながらガッツポーズで栄光のゴールを駆け抜けると、ウイニングランではレスキューボートから感謝の投げキス。スタンドは祝福ムードに包まれた。 今大会は梅雨どきの高温多湿で回転が上がらない気象条件に対処すべく、ピストン、リング、シリンダーケースの〝セット交換〟が大流行した。「同じ得点率(2位)だった稲田さんが換えるというので、僕もやってみた」と予選最終日に〝勝負手〟に出た。そして準優、優勝戦と日を追うごとに気配は上昇。予選2位通過から準優を1着で突破すると、同1位の徳増秀樹(静岡)が4着で敗退。巡ってきたファイナルの絶好枠をきっちりモノにしてみせた。 賞金ランキングは5位へ急浮上。今後のSG準優、優勝戦でスタート無事故なら、2年連続グランプリ出場がほぼ確定となった。だが、ここからが正念場。昨年に逃したトライアル2nd(チャレンジカップ終了時点で賞金ランク6位以内)からの出場を果たさなければならないのだ。 「クラシックで優勝してから守りに入ってレースで消極的になっていたし、昨年のGPも(トライアル1st敗退で)辛い思い出しかなかった。これからは全部勝つ気でガンガン攻めていきます!」
〝キング・オブ・SG〟の称号を得た〝上州のナイスガイ〟が今年は失速することなく年末まで突っ走っていく。(佐野友記)