ドッグXの伊東由樹が語る「ペンシルベイト」の今【メガバスのペンシルは盛り上がっている!!】
ペンシルベイトは死んだのか?流行のルアーとはとても言えないこのジャンルを、ドッグXを筆頭にこれまでに数々の名作を生み出してきた鬼才・伊東由樹が語る。 【画像】「ペンシルベイト」の今・写真ギャラリー
ペンシルベイトはむしろ盛り上がっている
伊東「ペンシルベイトが盛り上がってない? そう聞いて、正直びっくりしちゃいましたね。グローバルな視点で見ると、メガバスの場合はむしろ逆なんです。ペンシル、めちゃくちゃ盛り上がってますよ。アメリカでの事業ではブランドン・パラニュークやエドウィン・エバースなど、トッププロたちと仕事をしてきましたが、やっぱり基本的なサーチベイトとしてペンシルはマストですよね。欧州でも同様です。だから、日本だけがガラパゴス化しているという可能性はないですか?」 しばらく、アメリカでのビジネスに注力していた伊東さんが、再び日本に軸足を置いたのが約6年前。そのときから、何か違和感を感じていたようだ。 伊東「日本の釣りは、どんどんマニアック化していって、奥が深くなるのはいいんですけど、同時に細くなっている気がします。世界の釣りは幅が広がっています。だから、ペンシルベイトやジャークベイト、バズベイトなど、普遍的なアイテムの使い道がより一層広がっているんです」 伊東さんによると、もともとはシャローのサーチベイトだったペンシルベイトが、水深がある場所、あるいは流れのある場所でも使われるようになってきているという。普遍的なジャンルのルアーの使い道を広げていくのが世界の趨勢だというのだ。 伊東「日本だと、『もうペンシルは終わった、次はハネモノが来た』とか、『その次はビッグプラグが来た』とか言いますよね。流行りモンが好きなんですかね? ペンシルってもう二十年前ぐらいに流行ったジャンル…みたいな感覚なんでしょうか? 日本の市場っていうのは、どんどん過去形にしていく流れなんですかね?」 数々の傑作ペンシルベイトを世に出してきた伊東さんは、ちょっと不思議そうにそう語った。そんな伊東さんに、デザイナーとして影響を受けたペンシルを尋ねたら、意外なルアーの名前が出てきた。 伊東「まあ、ペンシルではないですけど、チャグバグってありましたよね。あのストームのポッパー。僕がまだ若かった頃、チャグバグのお尻にドリルで穴を空けて、ウエイトを入れて、やや直立気味に自分でチューニングして使ってたんですよ。それがめちゃくちゃ高速ドッグウォークして、水面を滑走したんですね。釣れました。それを僕は自分のオリジナルとして再現したくて、作ったのが初代のドッグ-Xなんです」