【NASAが発表】「月面着陸」の意外すぎる“9つの候補地”「アルテミス計画」で“日本人宇宙飛行士”が2人も月へ
地球から月まで水を運んでいければいいですが、そうすると水1kgあたり1億円もかかってしまいます。金1kgが約1500万円なので、月面での水は金よりも貴重なのです。 人類が月面基地をつくるうえで最もいいのは、年間を通して日当たりがよくて電力の確保ができ、かつ、近くに大量の水がある場所です。 ふだん私たちが住まいを選ぶ際にも、日当たりがよくて、必要なものが手に入りやすい場所のほうがいいですよね。それと同じです。
今回NASAが選んだ9カ所は、「日当たりがいい場所」であり、「日当たりが悪すぎる場所(永久影)にアクセスしやすい」ことが考慮されています。 他にも、「地上との通信のしやすさ」や「着陸のしさすや」も重要な条件として考慮されています。 ■現地調査してみないとわからない ただ、実際にどれほどの水が月に存在するのかは、まだよくわかっていません。 さまざまな探査機による観測データから、「月に水がある」ことは確実でしょうが、人類が利用しやすい形で十分な量があるのかは、議論の余地が残っています。
アルテミス計画第3弾では、1週間ほど月面に滞在して現地調査をすることで、水資源の可能性を探り、将来の月面基地の設置場所を検討する意味もあります。 新居を決めるとき、部屋の写真や間取り図を見るだけでなく、実際に内見してみないとわからないことがありますからね。 私たちの住まいの内見とは異なり、月の内見はリスクを伴った大きな挑戦になります。今後の動向に注目していきましょう。 (イラスト:村上テツヤ)
井筒 智彦 :宇宙博士、東京大学 博士号(理学)