【NASAが発表】「月面着陸」の意外すぎる“9つの候補地”「アルテミス計画」で“日本人宇宙飛行士”が2人も月へ
昔、理科の教科書で似たような図を見たことがありますよね? こういう図が出ると「お勉強感」が出て、気が滅入るかもしれませんが、じつは、月探査という観点において、とても大切なことがわかるのです。 「『中秋の名月』今年は“土星”も見える!? 鑑賞のコツ」では、図のAの地球上から月を見たときに、「月は満ち欠けをする」「月の出は毎日50分遅れる」ことをお話ししました。 今度は視点を変えて、月面から太陽を見てみましょう。図のB・C・Dを見ながら、自分が月面に立っている状態をイメージしてみてくださいね。
図のBにいるとき、月の地平線から太陽が顔を出すのを目にします。これが月面における「日の出」です。 図のCのとき、太陽は最も高い位置に昇ります。図のDのとき、太陽は月の地平線に沈みます。月面における「日没」です。 この「日の出」から「日没」までのB→C→Dの期間が、月面にとっての「昼」になります。 つまり、月が地球を公転する約1カ月の半分にあたる約2週間が昼になるということです。そして、残りの約2週間は、その反対にまったく太陽の光が当たらない「夜」になります。
つまり、「月面では、約2週間ごとに昼と夜が入れ替わる」のです。 昼が2週間続き、その後、夜が2週間続く。月で長期間滞在することを考えると、生活のリズムがめちゃくちゃになって大変そうですよね。 他にも大変な点はたくさんあります。 月面での活動には、エネルギーが欠かせません。太陽からの光を電力に変える太陽光発電の場合、夜になると2週間も太陽光が途絶えてしまうので、電力をまかなうことはできません。 また、月面の温度は、昼は170℃、夜はマイナス120℃になります。「極端な低温」や「300℃近い寒暖差」は、機器の損傷を招きます。
月面で極寒の夜を越えることを専門用語で「越夜(えつや)」といいます。越夜をするには、特別な対策を施す必要があるのです。 ■「月の南極」が選ばれる理由とは? アポロ計画では、月面着陸のミッションを6回行いました。このとき、月面での滞在は、2週間続く昼のうち、たった2~3日程度だったので、極寒の夜は問題になりませんでした。 では、月に長期滞在する場合は、どうしたらいいのでしょうか? そこで、注目されているのが、月の南極なのです。