事務員に転職したのですが、昼休憩に「みんなのお茶をいれるように」と言われました…これって給与に含まれるでしょうか?
事務職員や女性社員のなかで、本来の業務とは異なる「お茶出し」を頼まれたことがある方もいらっしゃるでしょう。 来客があったときに頼まれるのであればまだしも、昼休憩の時間にほかの社員へお茶をいれるよう指示されることに対しては「納得がいかない」と感じる方も多いはずです。 休憩時間のお茶出しは「労働時間」に該当するのでしょうか。該当するとしたら、その分の給与を支払ってもらうか、もしくはお茶出しにかかった時間分の休憩時間を別途もらう必要があるでしょう。 本記事では、業務時間外における労働についてと、男女雇用機会均等法の概要についても解説します。
上司から指示されたお茶出しの時間は労働時間に該当するのか?
厚生労働省が定める労働条件では、「明示・黙示を問わず、使用者の指揮命令下にある時間」はすべて「労働時間」に含まれるとされています。 実際に作業している時間や会議に出席している時間はもちろんのこと、作業前の準備や作業後の片付け・そうじをしている時間、昼食休憩時間中に来客・電話当番をしている時間なども労働時間に含まれます。 お茶出しも、上司などの指示命令があって行っているのであれば、労働時間に該当すると考えてよいでしょう。しかし、指示命令がなく自発的に行動している場合は、労働時間には該当しません。
本来、休憩時間はどれだけとれるのか?
厚生労働省によると、法定労働時間は以下のように定められています。 ●一日につき8時間以内 ●1週間につき40時間以内 休憩時間については、一日の労働時間が6時間を超える場合は45分以上、8時間を超える場合は60分以上と決められており、これを下回る場合は労働基準法違反に当たります。また、そのほかにも休憩時間は、原則として以下のように定められています。 ●労働時間の途中にとれること ●一部の例外を除いて、一斉にとれること ●自由に利用できること
女性だけにお茶出しを指示することは男女雇用機会均等法違反に当たる可能性も
1986年に男女雇用機会均等法が施行され、性別を理由とした差別が禁止されました。 厚生労働省が公表した「男女雇用機会均等法のあらまし」にある「配置に関し禁止される措置の例」に「男性労働者には通常の業務のみに従事させるが、女性労働者については通常の業務に加え、会議の庶務・お茶くみ・そうじ当番等の雑務を行わせること」という記載があります。 つまり、女性だからという理由でお茶出しを指示することは、男女雇用機会均等法違反であり、たとえ、お茶出しにかかった時間分の給与を余分に支払っていたとしても違法となります。