沖縄のコーヒー最前線を知る、今行くべき注目の焙煎所。【沖縄シティガイド】
・〈豆ポレポレ〉|焙煎の世界大会2位の実力で、日本の焙煎界をリード。
日本で唯一、スペシャルティコーヒーに認定された農園が3つもあり、沖縄がコーヒーの一大産地になる未来はそう遠くない。独自のコーヒー文化が発展している中、なかでも高い人気を誇るという2軒のコーヒー店を、那覇でお酒やお茶、道具など「飲む」にまつわる専門店〈LIQUID THE STORE〉を手がける村上純司さんに教えてもらいました。 【フォトギャラリーを見る】 コーヒーの焙煎の技術を競う世界大会『World Coffee Roasting Championship』にて、2019年に世界第2位、2023年は世界第4位に入賞している仲村良行さん。国内外で行われる競技会や品評会の審査員も務め、日本の焙煎業界を牽引する存在だ。 スペシャルティコーヒー豆の自家焙煎店〈豆ポレポレ〉があるのは、コザ(沖縄市)の〈中央パークアベニュー〉。スペシャルティコーヒーとは生産や管理が徹底された高品質のコーヒーのこと。ヤシの街路樹と白いアーケードが美しい、かつての繁華街で、個性的な店も多くレトロな雰囲気と共に楽しめる。店舗があるのはステーキハウス跡で、外観も内観もそのまま活かされている。
「日常の仕事と競技会は同じ。どういう味を表現したいか、その技法がわかればどんなものも可能です。おいしさに特化して、もっとギリギリが攻められます」と仲村さん。 競技は同じ豆、マシンを用いて、同じ時間で、事前に申告した目指す風味や特性に仕上がっているかを競うものだ。日々、コーヒー豆とマシンに向き合い、研鑽を重ねている姿が清々しい。 「競技会があるからここまで突き詰められるのかもしれません。ありえないくらいの失敗の先に正解があるかもしれない。これが本当に最高なのかと問い続け、いろいろなものにアンテナを張って、ヒントを探しています」
店内には約15種類ほどの豆がずらり。定番のブレンドが6種類、シングルオリジンがその時々で数種類。悩んでしまいそうだが、ドリンクで味見したり、スタッフに相談するのもいい。また手軽で簡単なアイテムとして、ティーバッグ型のコーヒーバッグ(熱湯につけておくだけ)やカフェオレベースもあって、楽しみ方もいろいろ。 2024年夏には、同じ沖縄市内の高原エリアに焙煎所を移転し、この場所はカフェとして営業する予定だ。新たな場所では同様に焙煎所にスタンドを併設するという。那覇から少し足を伸ばして、コザでコーヒーブレイクを。