6月4~6日にまたオーロラが広く出現か、5月の低緯度での観測から太陽がちょうど1回転
太陽活動のピーク
現在の太陽は、2019年12月に始まった第25活動周期の最中にある(第1周期は1755年3月~1766年6月)。太陽活動のピークは、今周期が始まったときにNOAAが出した予想したよりも早く、そして強くなると考えられている。 太陽フレア、コロナ質量放出(CME)、太陽黒点などの現象も、2024年には発生の頻度や強度が増すと予想されていると、ウィック氏は言う。 太陽黒点とは、太陽表面にある色が暗くて温度が低いエリアのことで、ほかの部分よりも磁場が著しく強い。ハンプトン氏によると、今回の活動周期では、すでに過去数回の周期よりも多くの黒点が発生しているという。太陽フレアとコロナ質量放出(CME)は、どちらもエネルギーが爆発的に宇宙に放出される現象であり、黒点の付近で起こることが多い。 「太陽極大期が来れば太陽嵐がより多く発生します。そして嵐の最中にはオーロラが通常よりも頻繁に発生し、強度も高く、期間も長くなり、また、より低緯度まで広がる可能性があります」と、米ジョンズ・ホプキンス応用物理学研究所の宇宙物理学者であり、米宇宙嵐センターの所長を務めるスラバ・マーキン氏は言う。
太陽嵐の地球への影響は
太陽嵐が送り出す太陽風は多くの場合、地球以外の方向へ向かうが、もしそれが地球に届いた場合には、磁気圏を圧縮し、歪ませる可能性がある。 NOAA宇宙天気予報センターのプログラムコーディネーター、ビル・マーター氏によると、磁気圏の状態は、GPS機能や低軌道にある人工衛星への干渉など、さまざまな形で地球のテクノロジーに影響を与えるという。 現在の太陽活動レベルは過去20年で最も高くなっているため、数多くの嵐を研究できるだろうとミーシュ氏は言う。 「太陽嵐をより多く観察するほど、より深く理解でき、より深く理解するほど、予測の精度もさらに上がるでしょう」
文=TERRY WARD/訳=北村京子