ポスティング問題はどうなるのか?
上限を設けるつもりなら、一律ではなく、前年度の成績に応じて設けるパターンも考えられよう。年によっては、日本と韓国を合わせれば、複数の選手がポスティング制度を利用してメジャー挑戦を目指す。シーズン終了後に、オフに各球団が入札に使える予算を定め、勝率の低いチームほど高めに設定すれば、無理のない範囲で補強、戦力均衡が可能となる。 実は、似たような仕組みは、すでにドミニカ共和国やベネズエラなど、ドラフト対象外の国の若い選手との契約において昨年から適用されている。背景にはやはり、契約金の高騰があった。 もちろん、上限を設ければ、ヤンキースやドジャースなど、資金力のあるチームは猛烈に反対するはず。ただ、そうした彼らにも、その力を使う機会を与え、そうではないチームも納得させるヒントが、パイレーツのオーナーの、「ポスティングフィーも年棒総額に換算し、贅沢税の対象とすべきではないか」というコメントの中にある。 ■ポスティングのコストも贅沢税の対象に 大リーグの贅沢税とは、年棒総額がその年の一定額を越えた場合に課されるもの。現在の労使協定に関わるので、ポスティングフィーを贅沢税の対象とするのは無理だが、応用はできる。 一応、ポスティングに上限を設ける。だが、ヤンキースらを考慮して、越えても構わない、としておく。しかしその場合は、一定の贅沢税を課しますよ、とするのだ。越えた分に対し、例えば100%の税金を課せば、それなりの抑止力になり得る。合わせて、○○%を超過した場合、翌年のポスティングに参加できない、とすれば、その効果は増す。そこまでのリスクを負ってまで上限を越えるなら、資金力のないチームからも理解は得られよう。 ■短期間での新ルール作成は現実的ではない とはいえ、短期間でここまでの仕組みを作り、オーナー、大リーガーの選手会から了承を取り付けることは難しい。やはり、結論を急ぐなら、最高額を入札したチームが交渉権を獲得するという前提はそのままで、日本の球団に支払う額を下げるため、入札に参加したチームの中から、何チーム分を選んで平均とするというのが、現実的な落としどころかもしれない。