ポスティング問題はどうなるのか?
合意間近だった新しいポスティング制度案を撤回し、修正するとした大リーグ側。彼らはいったい、どう手を加えてくるのか。まず、大きな方向性としては、大リーグの球団から日本の球団に支払う総額を抑えようという狙いがある。そもそも当初の案にもそれが伺え、支払額をこれまでの最高入札額から、最高額と2番目の平均とするとした。 これでも一部のチームには、「これではまだ、金のあるチームしか、実際には落札できない」などと映り、修正を迫られることになったわけだが、この点でさらなる変更を加えることが想定できる。 ■暫定ルールは上位3球団か全球団の平均 入札額上位3球団の平均とするのか、あるいは、参加した全球団の入札額の平均とするのか。いずれにしても平均に加えるチーム数が多くなれば多くなるほど、支払額は下がる。 さほど時間がないことを考えれば、今回に限っては、暫定的にこの調整だけですませる可能性が高い。NPBはオーナー会議で「そう時間はかからない」と説明していることから考えても、暫定的調整で煮詰まりつつあるのだろう。田中将大(楽天)の獲得は、ヤンキースやドジャースにとってこのオフの補強の中心。いつまでも結論を先延ばしにするわけには行かない。 ■「田中ルール」と呼ばれる? 暫定ルールは今回のみ ただこの場合、極めて短期契約。田中が欲しいメジャーも歩み寄り、合意を急ぐ。その暫定ルールは後に、「田中ルール」と呼ばれるのではないか。本来なら大リーグ側は、入札額に上限を設けたい。理想としては、ポスティング制度を廃止して日本側に海外フリーエージェント取得年数を短縮を迫ることだが、その前段階としてそういう構想があるよう。 ある米記者が複数のオーナーらから聞いた話だと、複数のチームが上限で入札した場合、前年度の勝率が一番低いチームに交渉権を与えてはどうか、という案が出ているそうだ。これなら、ウェーバートレードやドラフトと同じで、戦力均衡が前提となっており、大義名分も立つ。