年収の壁引き上げ 識者、データ開示での議論を自民に提案「実現可能な路線を探ることをしないと」
経済アナリスト馬渕磨理子氏が19日、TOKYO MXの新番組「堀潤 Live Junction」(月~金曜後6・00)にコメンテーターとして生出演し、年収103万円の壁をめぐる与野党の議論にコメントした。 「国民の手取りを増やす」を旗印に掲げる国民民主党は、所得税課税対象のボーダーラインを年収178万円まで引き上げるよう与党に提言しているが、協議はいまだまとまっていない。 政府は引き上げにより、特に地方税が4兆円の減収になるとの試算を出している。村上誠一郎総務相はこの日午前の会見で、「4兆円近い減収がどうなるか、それぞれの知事がそれぞれの立場で発言するのではないか。税収が減ることに対して今後どうなるか、皆さんが現実的に考えて議論していただくことが必要」と述べた。 国民の玉木雄一郎代表は過去に出演番組で、「財務相からの最新データを出していただきながら、そういった議論を与野党でしていきたい」などと述べており、データ自体は政府が握っていることをほのめかしている。 馬渕氏は「そのデータは自民が持っているというスタンスなんです、国民民主としては」とし、「どこまで持っているのか。実はもう減収しかないのか分からないんですけど」と推測。「でも、いったんデータをオープンにして、みんなで平等にデータを見て判断する。学者の方も参加して、実現可能な路線を探るということをしないと」と指摘した。 データを開示しての協議は、自民党の変化を有権者に示すチャンスでもあるという。「今の段階だと、うやむやにするスタイルが良くないというか、自民党が批判を浴びてきたものをもう1回彷彿とさせるので、ここは“変わったよ。選挙(の大敗)を通じて変わったよ”というスタンスを見せるのなら、クリーンにデータを出して、どこまで合意できるか、オープンな議論をぜひして欲しい」と、期待を寄せた。