リカルドに次戦3グリッド降格ペナルティ。セーフティカー中にヒュルケンベルグをオーバーテイク……まさに泣きっ面に蜂
F1中国GPの決勝レースをリタイアで終えたダニエル・リカルド(RB)は、セーフティカーラン中にハースのニコ・ヒュルケンベルグを抜いたとして、10秒のタイムペナルティを科された。ただ、リタイアしたことでペナルティを消化できなかったため、次戦マイアミGPで3グリッド降格という、非常に厳しい裁定が下された。 【動画】ストロール、リカルドに追突。レース再開直前に大混乱|F1中国GP リカルドはセーフティカーラン中の26周目、アストンマーティンのランス・ストロールに追突され、マシンのリヤエンドに大きなダメージを負った。その後27周目からレースが再開されたが、角田裕毅(RB)がケビン・マグヌッセン(ハース)とクラッシュしてリタイアしたことなどもあり、再びセーフティカーが出動することになった。 ヒュルケンベルグは、26周目の時点で、リカルドとストロールのすぐ後ろを走っていた。しかしこの2台が接触したことでリカルドの前に立ち、そのままレース再開を迎えた。これは一時審議対象となったが、ヒュルケンベルグのオーバーテイクは許される状況だったとされた。 一方でリカルドは、ヒュルケンベルグがセーフティカー中に自分を抜いたと思い込み、2度目のセーフティカーが出た後の28周目に抜き返してしまった。これがレギュレーション違反と判断され、10秒のタイムペナルティを受け、さらにペナルティポイント2も科された。しかしリカルドはストロールに追突されたダメージからリタイアすることを決断したため、タイムペナルティを消化できず……代わりに次戦マイアミGPで3グリッド降格ペナルティを受けることとなった。 リカルドとしては、ヒュルケンベルグを抜き返した直後にリタイアを決断していたため、まったく意味のないオーバーテイクでペナルティを受けてしまうという、あまりにも辛い結末となってしまった。 スチュワードからの報告には、次のように記載されている。 「3号車のドライバー(リカルド)は、意図的に27号車(ヒュルケンベルグ)を追い抜いたことを認めた。彼は28周目より前の段階でセーフティカー中に27号車に抜かれたため、そうすることができると考えていたと説明した」 「しかし3号車には、セーフティカー中に27号車をオーバーテイクする正当な根拠はなかった。したがって、3号車に10秒のタイムペナルティを科した」 「3号車はリタイアしたため、ペナルティを履行することができなかった。そのため、同ドライバーが出場する次のレースで、3号車に3グリッド降格ペナルティを科す」 ストロールに追突されたダメージによりリタイアしなければならなかったリカルドにとっては、まさに泣きっ面に蜂のペナルティと言えよう。
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