英中銀、タカ派1人減り据え置き支持も-年内利下げガイダンス堅持か
(ブルームバーグ): イングランド銀行(英中央銀行)は21日、政策金利を16年ぶり高水準で維持すると発表する可能性が高い。過去数十年で最も急ピッチな引き締めサイクルを緩める前にインフレ圧力が落ち着くまでの時間をさらに確保する。
英中銀はロンドン時間21日正午(日本時間同午後9時)に政策決定を公表する。政策金利を5.25%に据え置く一方、インフレと賃金の主要指標が引き続き和らぐことを前提に2024年の利下げに道を開くガイダンスを維持するとエコノミストや投資家は見込んでいる。
ベイリー総裁は2月の金融政策委員会(MPC)で、年内の金融緩和に扉を開いたが、開始時期については米連邦準備制度や欧州中央銀行(ECB)より曖昧だ。8月に最初の利下げが決定され、さらに年内に少なくとも1回緩和が決まると投資家は考えている。
MPCの意見は再び三つに割れそうだ。それでもタカ派2人のうち1人が降参し、利上げ支持から据え置きに転じることも考えられる。
外部委員のジョナサン・ハスケル氏は、タカ派2人のうち利上げ支持をやめる可能性がより高いと考えられる。もう1人のタカ派であるキャサリン・マン委員は、2月の自らの判断について「微妙なバランス」としながらも、基調的な物価上昇圧力に引き続き懸念を示す。
主要なハト派であるスワティ・ディングラ氏は、2度目の利下げ支持に回ると予想される。残りの委員は、5会合連続で据え置きに賛成する公算が大きい。
ブルームバーグ・エコノミクス(BE)のチーフ英国担当エコノミスト、ダン・ハンソン氏らは「イングランド銀は時期を曖昧にしたまま、次の動きが利下げと認める3月のスクリプトを堅持することになりそうだ。だが票が割れれば、緩和サイクル開始が視野に入りつつ状況を示唆する可能性がある。賃金の伸び鈍化を考えれば、利上げを求める声も少なくなろう。われわれの基本シナリオは、6月の最初の利下げだ」と分析した。