3メガ銀の今期純利益は3.3兆円へ-利上げ効果でそろって最高益更新
(ブルームバーグ): 3メガバンクグループの今期(2025年3月期)純利益は合計で前期比5.7%増の3兆3100億円と前期(24年3月期)に続き2期連続で最高益を更新する見込みだ。日本銀行による利上げ効果が本業の貸し出し業務などに浸透し、収益を押し上げる。
15日に出そろった今期計画は、三菱UFJフィナンシャル・グループ(FG)が前期比0.6%増の1兆5000億円、三井住友FGが10%増の1兆600億円、みずほFGが10%増の7500億円。前期の純利益合計は3兆1327億円だった。
前期は貸し出し業務では利ざやが大きい海外事業が円安・ドル高もあり収益を押し上げたほか、国内も法人向け融資が堅調に推移。国債取引などの市場部門も好調で、合計の純利益は10年ぶりの最高となった。個別ではMUFGと三井住友FGが最高益を更新した。
日銀が3月に17年ぶりの利上げに動いたのを受け、市場金利は上昇傾向にある。今期は追加利上げも予想され、国内貸し出し業務での利ざや拡大など収益環境のさらなる好転が期待されている。
前期決算について、MUFGの亀澤宏規社長は、「顧客部門中心に稼ぐ力が拡大し、過去最高益につながった」と評価。三井住友FGの中島達社長も「非常に好調な結果。業務環境が非常に良かったことが要因」と振り返った。
金利上昇へ
日銀は3月の金融政策決定会合でイールドカーブコントロール(長短金利操作、YCC)やマイナス金利を解除した。4月の決定会合では大きな政策変更はなかったが、今後は日銀の追加利上げの時期やペースに関心が集まっている。
MUFGの亀澤社長は利上げ効果について、「前期決算にはそれほど入っていないが、今期はプラスになっていく。利ざや改善などでポジティブだ」と言及した。三井住友FGの中島社長は金利の「正常化に向けた動きが継続していくことを期待する」と語った。
みずほFGの木原正裕社長は、「政策金利の引き上げがあるかは見通しが難しい。ある程度見極めてからではないと動けない。難しい局面だ」と述べた。