Bloomberg

（ブルームバーグ）： 米銀ＪＰモルガン・チェースのジェイミー・ダイモン最高経営責任者（ＣＥＯ）は８日、米英の規制当局は企業による株式公開を容易にすべきだと述べた。

ロンドンで行われたブルームバーグテレビジョンのインタビューで「米国でもここでも株式公開が難しくなっていることを政策立案者が理解することが重要だ」とし、中小企業に対する調査が減少しているほか、訴訟や規制当局への申請にかかる費用が増加していると指摘した。

さらに株式市場のバリュエーションが急上昇しているにもかかわらず、それに比例して新規株式公開（ＩＰＯ）が増加していないのは「奇妙だ」と言及。申請待ちのＩＰＯ案件は増えているものの、それらが実現するかは保証されていないとした。

ダイモン氏は「株式公開をより容易かつ安価にすることがわれわれの責務であり、そのための方法を見つけなければならない」と語った。

話題が多岐にわたるインタビューの中で、ダイモン氏は米国ではより多くの中規模銀行が合併を認められるべきだとも述べた。

「政府があらゆる小規模銀行の取引に介入すべきだという考えは間違っていると思う」とし、それは「不公平」であり、「基本的にＪＰモルガンに道を譲っている」とこれらの銀行の経営陣は述べるだろうと話した。

ダイモン氏（68）は、米金融当局が先月、政策金利を0.5％引き下げたのは正しかったとしながらも、インフレ圧力は依然として残っていると改めて警告した。

同氏は１年余りにわたり経済に対して慎重な姿勢を示しており、インフレは投資家の予想よりも粘り強い可能性があると主張。先月には米金融当局が約４年超ぶりに利下げに踏み切った後でも米経済のソフトランディング（軟着陸）に対する自身の懐疑的な見方は変わらないと述べていた。

ダイモン氏は８日のインタビューでも、地政学的問題が最大の懸念事項との認識を示した。先月にも地政学的問題は「私が働いてから抱えているどんな問題よりもはるかに大きい」と語っていた。