独首相、ウクライナ電撃訪問 6.5億ユーロの追加支援表明
[ベルリン/キーウ 2日 ロイター] - ドイツのショルツ首相は2日、ウクライナの首都キーウ(キエフ)を事前予告なしで訪問し、6億5000万ユーロ(6億8300万ドル)相当の軍事支援を今月中に実施する方針を示した。 同氏のキーウ訪問はロシアの侵攻後2回目。トランプ次期米大統領の就任に先立ち不透明感が増す中でウクライナを支援する方針を表明した。 同氏は「ドイツは今後も欧州最大のウクライナ支援国であり続ける」とXに投稿。「ロシアのプーチン大統領へのキーウからのメッセージはこうだ。われわれは長期戦の構えでいる。ウクライナへの支援は揺るぎなく、必要な限りウクライナと共にあり続ける」とした。 ショルツ氏は、12月中に6億5000万ユーロ相当の追加軍事支援を実施すると表明。国防省報道官によると、防空システム「IRIS-T」のほか、戦車「レオパルト1」や武装ドローン(小型無人機)などが含まれる。 ショルツ氏は先月15日、2022年12月以来初めてロシアのプーチン大統領と電話会談を実施。ウクライナのゼレンスキー大統領は、電話会談で「パンドラの箱」が開けられたと非難していた。 ショルツ氏はこの日のゼレンスキー氏との共同記者会見で、プーチン氏との電話会談ではロシアに侵攻の終結と軍の撤退を求め、ウクライナには独立した主権国家としての権利があると伝えたと述べた。 ゼレンスキー氏は、ウクライナは一段の防空システムを必要としていると述べたほか、巡航ミサイル「タウルス」の供与を巡り共通点を見出せるよう取り組んでいると語った。 ドイツは米国に次いでウクライナに対する2位の兵器供給国。ただショルツ氏は紛争拡大懸念から、ウクライナが要請するタウルスの供与は繰り返し拒否している。