尹政権退陣集会で警察官105人負傷…韓国警察「民主労総指導部が組織的に指揮」
当時、集会でデモ隊の一部が突然、警察を「奇襲攻撃」した状況も明らかになっている。ソウル警察庁所属のある機動隊員は「デモ隊およそ20人が突然、私に向かって走ってきて押し倒した」「対峙(たいじ)している状況でもなかったので不意打ちを受け、一緒にいた隊員5人はどうすることもできずに後方に倒れた」と語った。こうした奇襲攻撃でけがをした警察官はおよそ20人いるという。 警察では、こうした行動が集会参加者らを興奮させ、警察・デモ隊間の衝突を誘発しようというのが民主労総指導部などの意図していた戦略ではないか-とみている。警察関係者は「警察もデモ隊も人間なので、現場で対峙しているときに自分たちの側の人間がけがをしたり、一方的な状況が発生したりしたら興奮するのは避けられない」と語った。こうした場合、デモ隊も「暴力警察は退け」というようなスローガンを叫びながら警察の規制線をもっと手荒に押していくようになり、警察の鎮圧行動も一段と強硬になることは避けられない。また、こうした奇襲攻撃には、後の法廷で証拠として採択される「採証」を避けるため、という狙いもある。警察関係者は「予想外の瞬間に攻撃を受けて採証できていない事例が多い」と語った。 民主労総は「警察が許可したのは1次退陣総決起の参加予想人員に比して狭小な空間だった」とし「警察が集会場所に移動したり座っていたりした組合員を強制的に押すことで衝突を誘発した」と主張した。進歩(革新)系の最大野党「共に民主党」の李在明(イ・ジェミョン)代表は、国会の党最高委で「1980年代の、暴力を誘発する暴力警察の姿が思い浮かぶ」「分派、私服警官がデモ隊に潜入してまず火炎瓶や石を投げたら、これをきっかけにいわゆる白骨団がデモ隊を無差別に暴行していた現場のようだ」とコメントした。 チュ・ヒョンシク記者、ク・アモ記者、ソ・ボボム記者