【闘病体験】「”卵巣がん”告知が他人事のように聞こえた」余命宣告を受けて気づいた、当たり前への感謝
「卵巣がん」は若い世代から中高年世代まで、幅広い世代の女性に発症する病気です。初期症状がほとんどなく、自覚症状が出て受診した際に進行した状況で診断されるケースが多いです。 【画像】yukiさんの闘病中などの写真 今回お話を聞いたyukiさんも初期症状がほとんどなく、お腹が妊婦のように腫れて痛みを感じたことで検査を行い、発見されました。yukiさんのお話から卵巣がんの気になる初期症状、具体的な治療方法、生活での注意点などを実体験とともにご紹介します。 ※本記事は、個人の感想・体験に基づいた内容となっています。2023年9月取材。 [この記事は、Medical DOC医療アドバイザーにより医療情報の信憑性について確認後に公開しております]
「医師からの告知は他人事のようだった」まさか自分ががんになるとは
編集部: yukiさんが卵巣がんと診断された時の自覚症状はありましたか? yukiさん: わかりやすい自覚症状はなく、最初は「少し太った?」という程度にお腹が膨らみました。ですが、そのわずか数カ月で妊婦のようにお腹が大きくなり、痛みも伴いました。 編集部: すぐに病院を受診されたのですか? yukiさん: はい。おかしいと思い、すぐに産婦人科を受診したところ、「悪性の腫瘍があり、おそらく卵巣がんでしょう」と言われ、大きい病院を受診しました。 検査の結果、CA125という血液検査でわかる腫瘍マーカーは475で、胃や大腸などのからの転移も疑われたので、胃カメラや造影CTなどの精密検査を行いました。 最終的には原発性卵巣がんと診断され、「ほかの臓器やリンパ節への転移はないものの、腹膜播種があるためステージⅢC、極めて完治が難しいがんである」と告知されました。 編集部: 病気の告知は相当なショックだったのではないですか? yukiさん: ショックで頭の中が真っ白、というよりも他人事のように淡々とドクターの声が頭の中を流れていく状態でした。腫瘍マーカーの数値を見て、「この数値でもがんじゃないってこともあるんですか?」と質問するので精一杯でした。 告知を受け、退室して最初に頭に浮かんだのは子どもたちのことです。「いつ、どうやって伝えよう」とか「聞いたらショックを受けるだろうな」とか、自分のことよりも子どもたちのことが心配で仕方ありませんでした。 病院から帰る時の記憶はなく、自宅の最寄り駅に着いたら「家に帰ったら子どもがいるし、顔を見れば泣いてしまう」と思って、涙があふれるのが落ち着くまでしばらく留まっていたことだけ憶えています。 編集部: 告知後はどのような症状、生活の変化があったのでしょうか? yukiさん: すぐに入院生活が始まり、パンパンになった腹水、腹膜炎の激痛にも耐えながら、とにかく病気に負けないための体力をつけようと三食を完食することを意識していました。 退院後は、毎月抗がん剤の副作用に耐えていましたが、副作用の出る時期や症状のパターンを把握できてからは、計画的に家事や買い出し、食事の準備などをしました。 また、その日の体調次第で「できない時はできない、休む時は休む」という意識を大事に、自分をいたわりながら生活するようになりました。