金髪、ピンク、茶髪…髪を染めること5回、見た目で変わった周囲のリアクション 席を譲ったときの反応も大違い【福井県立大学生コラム】
初めて染めた色は金色。染めたというよりブリーチで抜いただけだけれど。2回目から本格的に色を入れて、全頭ピンク、金髪とピンクのグラデーション、茶髪、抜け感のある黒髪にしていった。 まず、高校卒業してすぐに初めて金髪にした。そのため、新しい自由を手に入れて笑みをこぼす、いかにも「若気の至り」らしい姿の私に、身内も友達も「染めたなぁ」と言った。 2回目の全頭ピンクの時から感想に違いが出始めた。友達の多くは大学デビューから派手な髪色、いわゆる「派手髪」の状態であることにためらった。目立つ真似をしないところは田舎らしいと感じた。だからこそ、私の真新しい姿に可愛いとか似合うとか気持ちのいい言葉を多く言ってくれた。一方、身内からは、良くも悪くも別人みたいとか美容代にお金をかけすぎだと言われた。当時までは親が負担してくれていたが、これを機に負担額が減ってしまって残念…。まあやりたくてやってるから悔いはないけど。 3回目の金髪からピンクのグラデーションからは明らかに感想が異なった。まず女友達からは称賛の嵐。男友達からはツッコミと驚きと悪くないとの声。身内からは人体に悪いとか、きもいとか。医療関係者の親だし、比較的冷静な兄弟だから、あまり気持ちのいい言葉は言われなかった。加えて明らか反応が違ったのが、周囲の人々。街を歩くだけで見られるのはもちろんだが、バスの席をおばあちゃんに譲っただけで驚きと感謝を大きな声で言われるとは思わなかった。これまでにも何回か譲ったことはあるのだが、彼女ほどの大きなリアクションは以前にはないものだった。大きなリアクションをするほどの彼女の陽気な性格だからかもしれないが。 4回目の茶髪はインターンに行くために染めたけれど、連続で染めたから派手髪に飽きたのが本音。染め直した直後からまじまじと通行人から見られることもなくなり、知り合いから髪色特定されることもなくなり、少し開放的な気分になった。友達からは派手髪似合ってたのに…と惜しむ声や落ち着いたとの声があった。身内からはやっぱりそっちの方が良いと言われた。 5回目の黒髪になると、大学の友達はみんな私の黒髪を見たことないから新鮮だとか、大人びたとか。身内はもはや何も言わなくなった。 現時点では社会人で染める予定はない。短期間で染めに染めたので染めたいという欲がなくなった。 総じて体感したことは「髪色も判断基準の一つになり得る」ということだ。染める前は気づかなかったが、色から受ける印象と言うのは非常に大きい。何より私自身合わせる服がなくて困ったのも事実である。コーディネートで色を纏うのと、自ら色に染まりに行くのとでは全く違うのだと体感した。 × × × 福井県立大学の講義「福井の文化と社会」を受講した大学生たちがコラム執筆に取り組みました。今回のコラムは、その中から厳選した作品を掲載しています。