“第9波”か…コロナ新変異株“エリス”“ピロラ”とは? シルバーウイーク目前のいま 新型コロナ5類移行後の感染者報告数が“過去最多”に【#みんなのギモン】
■“エリス”と“ピロラ” オミクロン株の変異ウイルス
いま主流となっているのは「EG.5」、通称“エリス”という変異株です。世界でもいま主流となっていて、先月WHO(=世界保健機関)が「注目すべき変異株」に指定をしたばかりです。 2021年の冬ごろから猛威を振るった、あのオミクロン株がいまも変異を続けていて、“エリス”はオミクロン株の変異ウイルスの新たな系統です。 感染症・呼吸器疾患を専門とする日比谷クリニックの加藤医師によると、“エリス”は、1つ前に流行したオミクロン株の変異ウイルス「XBB.1.5」より、約20%感染力が強いといわれているそうです。 14日夕方に発表された東京都の最新の感染状況では、定点あたりの感染者数は先週よりも若干減ったものの、“エリス”の割合は4割ほどに上がりました。 マスクが個人の自由になったことや、人出が戻ったことに加えて、このようにウイルスの感染力が強くなったことも、感染拡大の要因かもしれません。 こうした中、今月さらに新たな変異ウイルスが確認されました。それが「BA.2.86」。通称“ピロラ”と呼ばれ、オミクロン株の変異ウイルスです。 7日に都内で確認され、国内初の確認となりました。最初に確認された感染者の症状は軽症だったということです。ただ特徴として、1つ前に流行した変異ウイルス「XBB.1.5」よりも35か所以上の変異があるといいます。 そのため加藤医師は「まだ数が少ないためよく分からないことが多い」と前置きしながら「ウイルスに変異した部分が多いと、その分細胞とくっつきやすくなる。つまり感染力が高くなる可能性がある」ということを懸念しています。ただ「実際の感染力は高くないという報告もある」ということです。
■XBB系統対応ワクチン接種 20日から
コロナのワクチンに新たな動きがあります。9月20日からは、希望するすべての方を対象にXBB系統に対応したワクチンの接種が始まります。もちろんワクチンは、完全に防ぐことはできないのですが、新しいワクチンが出ます。 東京都医師会の尾崎会長は、いま主流となっている通称“エリス”や、新たに確認された“ピロラ”にも感染予防などの一定の効果があるとして、ワクチン接種を活用するよう呼びかけています。 すでにインフルエンザも流行していて、10月からはインフルエンザの予防接種も始まります。加藤医師のクリニックでも、インフルエンザのワクチンの問い合わせが増えているそうです。 コロナとインフルエンザの接種時期が“バッティングする”ことを気にする方もがいると思います。加藤医師は「この2つのワクチンは同時に接種することも可能。打ちたいと思った人は接種間隔を気にしなくても大丈夫」とのことです。今年度中なら、コロナのワクチンは自己負担なしで接種できるということです。 XBB系統に対応したワクチンは、これまでと同じように重症化を防ぐ一方、感染を完全にとめるわけではないものの、一定の効果があるということです。 コロナ、インフルエンザ、RSウイルスのトリプルでの流行も懸念されています。やはり、手洗いなどが予防対策になります。秋の行楽シーズンをみんなで楽しむためにも、一人ひとりが予防と感染を拡大させないために意識することが大切だと思います。 (2023年9月14日午後4時半ごろ放送 news every.「#みんなのギモン」より)
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