熊本の地下水量予測を公表へ 熊本県が年度内に TSMC進出…半導体企業の集積や農地減少踏まえ
熊本県は14日、熊本地域の地下水量の将来予測を本年度中に公表すると明らかにした。台湾積体電路製造(TSMC)をはじめとする半導体関連企業の集積や農地の減少といった近年の環境変化を踏まえた初の将来予測で、公表は2008年度以来となる。長期的な地下水涵養[かんよう]量の目標設定や保全策づくりに生かす。 現行の「熊本地域地下水総合保全管理計画」は県と熊本市、大津町、菊陽町など関係14市町村(当時)が08年度に策定。24年度が最終年度だった。 将来予測では、雨水などによる自然涵養と田んぼに水を張る人工涵養といった流入量から地下水の採取量、湧水量といった流出量を差し引いた1年ごとの「水収支」を示す予定。将来予測を基に目標の涵養量を設定し、節水や涵養の具体策をまとめる。 県環境立県推進課によると、県と11市町村が企業の採取量や農地面積などを調査中で、将来予測の対象期間などを検討している。県は24年度の一般会計当初予算に将来予測に関する委託料約600万円を計上している。
同課は「データなど分かりやすい情報を県民に開示して、地下水保全への取り組みを説明していく」と話している。 この日、共産党県委員会(松岡勝委員長)が県に地下水の将来予測を実施するよう申し入れた。(川野千尋)