西島秀俊が演じるクールな医師に沼る!伊藤淳史と仲村トオルの掛け合いも変わらず魅力的なドラマ「チーム・バチスタ2 ジェネラル・ルージュの凱旋」
伊藤淳史と仲村トオルの凸凹コンビも話題になり、2008年にドラマ化されて以来、大ヒットシリーズとなった医療ミステリードラマ「チーム・バチスタの栄光」(原作は現役の医師でもある海堂尊のベストセラー小説)。 【写真を見る】常に余裕な表情の速水(西島秀俊) そんな本作が外科から救命救急センターに舞台を移したのがシリーズ2となる「チーム・バチスタ2 ジェネラル・ルージュの凱旋」(2010年)だ。真っ直ぐで優しい心療内科医の田口公平(伊藤)と厚労省の変わり者且つキレものの役人・白鳥圭輔(仲村)のメインキャストに新たに加わったのが"ジェネラル・ルージュ(血まみれ将軍)"の異名を持つ天才救命医・速水晃一役を演じた西島秀俊。どんなに救急センターが逼迫していても新たな患者の要請があれば「受けろ!」の一言でチームを動かす西島の役は大人気となり、2014年に放映された「チーム・バチスタ4 螺鈿迷宮」にもスペシャルゲストとして登場。同年に公開されたシリーズ最終話となる劇場版「チーム・バチスタFINAL ケルベロスの肖像」にも出演することになった。一刻を争う患者が運び込まれる中、常に沈着冷静で的確な指示を次々に出す速水は人に弱みを見せられない性格。その一方で棒つきのキャンディをくわえて話す姿や、時折見せる悪戯っぽい笑みがチャーミングで、当時39才の西島演じる救命医にハマる視聴者が続出した。なお、本作には研修医役で松坂桃李も出演。西島と松坂は話題の映画「スオミの話をしよう」で久々の共演を果たしている。 ■白鳥(仲村)と速水(西島)の濃いキャラが火花を散らす? 東城医大の救命救急センターには謎の失神に悩まされる女性、ミスコン候補の女性たちのレッスン中の集団過呼吸など、原因究明が必要な様々な患者が運びこまれてくる。その様子を観察していた厚労省の白鳥は患者の精神的なケアをする人材が必要だと愁訴外来の田口(伊藤)を救急医療の責任者に推薦する。速水と白鳥は「オマエ」と呼び合う古くからの付き合いで、どちらも組織になじめない性格ゆえ、二人のバチバチのやりとりは本作の見せ場のひとつとなっており、チームのメンバーが必死でついていこうとする孤高の医師・速水と医療機器メーカーとの不審な関係に白鳥が目をつけたことがひとつの軸となってドラマは展開していく。 ■天邪鬼タイプの速水にも臆せず直球を投げるピュアで熱い田口 わざと相手を挑発する強気な白鳥が、どこかで田口を頼りにしているのに対して、速水は責任を背負い、自分の中に抱え込んでしまうタイプだ。温厚で忍耐強いサブリーダーの佐藤(木下隆之)に"まるでわがままな3歳児"と形容される速水だが、その心の内が徐々に明らかになっていく中、近寄りがたい雰囲気を纏いながら、儚さと孤独感が垣間見える西島の台詞や表情に釘付けになる。そんな速水の心にある意味、土足で入って来られる唯一の存在が患者のみならず、チーム全員に寄り添う田口。真っ直ぐに自分の意見を伝える田口に速水が目を伏せて一瞬、微笑む場面も印象的だ。ドラマ後半では「チーム・バチスタ事件の再来」と言われる患者の不審死が院内で勃発するなど謎解きの醍醐味味もあり、令和なら"速水沼"と表されそうな西島の演技にどっぷりつかって見ても楽しめる。 文=山本弘子
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