【火災保険】かつては「何十年も」契約できたが、いまや「最長5年」…保険期間が“どんどん短縮されている”衝撃の理由
生命保険は10年、20年、30年と長期にわたって加入しますが、同じ商品でも、保険料や保障内容などに違いが出てくることをご存じでしょうか。例えば「火災保険」は、ここ10年で保険期間はどんどん短く、保険料はどんどん高くなっています。一体どうしてなのか? 14年間続くシリーズ『NEWよい保険・悪い保険2024年版』(横川由理氏・長尾義弘氏監修、徳間書店)より一部を抜粋し、見ていきましょう。保険の見直しにお役立てください。 【早見表】年金に頼らず「夫婦で100歳まで生きる」ための貯蓄額
「自然災害の増加」で火災保険は赤字
かつて、火災保険は何十年という長期契約が可能でした。それが最長10年へと変更され、2022年10月からは最長5年になりました。保険期間がどんどん短縮される理由は、何度も保険料を値上げしやすくするためです。 なぜ、頻繁に値上がりするのでしょう。ここには地球温暖化などにより、毎年のように起こる大規模な自然災害が関係しています。 じつは、火災保険の収支は赤字になっています。保険金の支払いに対して保険料の収入が追いついていない状態です。つまり、それだけ大規模な自然災害が多発しているわけです。
保険料はここ10年で5回も改訂、24年もさらに値上げの見込み
図表1の「参考純率の推移」をご覧ください。10年間で5回の改定を行っています。「参考純率」とは火災保険の保険料を決める基になる数字です。損害保険会社はこの数字を参考にして保険料を決めています。実際に火災保険の保険料が変わるのは参考純率の改定の翌年です。2023年の平均13%の値上げは、2024年の保険料が値上がりすることを意味します。
「水災」の保険料が大幅に変更。水災リスクに応じて金額アップ
さらに、今回の改定で大きく変わったのが、「水災」の保険料です。 これまで「水災」の保険料は、全国一律でした。しかし、改定後は市区町村別に5つに区分し、水災のリスクによって異なった保険料が適用されます。 5区分の中でもっとも安い地域ともっとも高い地域の保険料では1.2倍の差が出ます。これは手痛いです! 参考純率の平均13%アップに、水災料率を加えると、地域によっては30%以上の値上がりになります。自分がどの区分にあたるかは、「損害保険料率算出機構」のサイトで確認できます。
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