スマートフォンで「老齢年金の請求手続き」ができるように!最短15分で手続き完了。対象者や注意点は?
公的年金は、「65歳になれば勝手に支給されるだろう」と思う方も多いですが、年金請求にかかる正しい手順を踏まないと受け取ることができません。 【6月3日スタート】老齢年金請求書の「電子申請」で事前に準備するものは何?やっぱりマイナンバーカードは必須に これまで手続きの煩雑さに課題がありましたが、2024年6月3日から「老齢年金請求書にかかる電子申請サービス」が開始しました。 公的年金の基本的なしくみとともに、請求の手続き方法を見ていきましょう。 ※編集部注:外部配信先ではハイパーリンクや図表などの画像を全部閲覧できない場合があります。その際はLIMO内でご確認ください。
公的年金の基本的なしくみ「国民年金と厚生年金」
まず、日本の公的年金制度のしくみをおさらいしていきます。 日本は国民皆年金制度のため、誰もが公的年金に加入しており、「国民年金」と「厚生年金」が2階建ての構造になっているのが特徴です。 ●国民年金とは? 1階部分にあたる国民年金には、20歳から60歳未満の日本国内に住む全員が加入するのが原則です。 年金保険料は定額(保険料額=基本額1万7000円×保険料改定率)で、2024年度は1万6980円となっています。 40年間すべて保険料を納付すれば、満額の老齢基礎年金が受け取れます。 なお、老齢年金以外では「遺族基礎年金」「障害基礎年金」もあります。 ●厚生年金とは? 続いて2階部分にあたる厚生年金です。厚生年金には、会社員や公務員などが国民年金に上乗せで加入します。 厚生年金保険料は月々の報酬月額によって決まるため、老齢厚生年金は「勤続年数はどれくらいか」「月々の報酬月額はいくらか」によって決まることになります。 なお、老齢年金以外では「遺族厚生年金」「障害厚生年金」もあります。 多くの方が受け取る老齢基礎年金と老齢厚生年金ですが、待っているだけでは支給されません。請求手続きについて見ていきましょう。
年金を受け取るための申請手続きとは
国民年金や厚生年金は、原則として65歳から受け取れます。 これまでは「年金請求書」が「65歳の誕生日」の約3カ月前に日本年金機構から郵送され、郵送や窓口にて手続きする必要がありました。 2024年6月3日から「老齢年金請求書にかかる電子申請サービス」が開始したことにより、約15分程度で申請が完了できるように。 詳しい手続き方法を確認していきましょう。 ●スマートフォンで老齢年金の請求手続きができる! 対象者とは 「老齢年金請求書」を電子申請により提出できるのは、一定の条件を満たす方のみです。 対象者には、事前に届く年金請求書に「電子申請のご案内リーフレット」が同封されています。 ただし、以下に該当する方は対象外になるため注意が必要です。 ・「公金受取口座」以外の口座で年金の受け取りを希望する方 ・配偶者または18歳未満の子がいる方 ・住民票住所と異なる住所を通知書等の送付先とする方 ・成年後見人等が本人に代わって請求する方 ・すでに他の年金を受け取っている方 ・年金を本来より早く受け取ること(繰上げ請求)を希望する方 ・年金を本来より遅く受け取ること(繰下げ請求)を希望する方 ●スマートフォンで老齢年金の請求手続きをする前に必要なこと 条件を満たした方は、まず請求手続き前に以下のステップが必要です。 ・マイナンバーカードの「署名用電子証明書のパスワード」の設定 ・マイナポータルの利用者登録 ・マイナポータルとねんきんネットの連携 ・「公金受取口座」の登録 ●スマートフォンでの老齢年金の請求手続き方法 事前準備が完了した方は、以下のいずれかの方法から手続きが可能となります。 ・マイナポータルに届いたお知らせから入る ・マイナポータルのトップ画面から入る どちらかの方法で手続き画面に入り、あとは画面に沿って請求内容を入力していきましょう。 ※パソコンからも手続きが可能ですが、スマートフォンなしで手続きするためには、マイナンバーカードの読取装置が必要です。