2024年グラミー賞総括:歴史を塗り替えたテイラー・スウィフトと女性たちの大勝利
グラミー賞ならではの豪華パフォーマンス
恒例となったように、2024年のグラミー賞授賞式もパフォーマンスがメインで、備忘録のように数少ないアワードが添えられた。新曲「Training Season」を初披露したデュア・リパはダンスフロアを熱狂させた(そして足場をよじ登った)。 SZAによる「Snooze」と「Kill Bill」のダブルショット、21サヴェージとブランディを迎えて「On Form」「City Boys」「Sittin’ On Top of the World」のメドレーを熱唱したバーナ・ボーイもハイライトとなったし、マイリーが「Flowers」を熱唱したときはオプラ・ウィンフリー(トーク番組の司会者)も一緒に口ずさんでいた。 トレイシー・チャップマンはルーク・コムズと「Fast Car」で共演し、9年ぶりに生放送への華麗なる復帰を果たした。ジョニ・ミッチェルは、ブランディ・カーライル、アリソン・ラッセル、SistaStrings、ルシアス、ジェイコブ・コリアー、ブレイク・ミルズと共に名曲「Both Sides Now」を披露し、念願のグラミー賞パフォーマンス・デビューを果たした(ジョニはライブ・アルバム『Joni Mitchell at Newport』で最優秀フォーク・アルバムを受賞)。 また、スティーヴィー・ワンダーがトニー・ベネットを称え、アニー・レノックスはシニード・オコナーに敬意を表し(そしてガザの停戦を呼びかけた)、ファンタジア・バリーノがティナ・ターナーを祝福し、会場を沸かせた。 ショーの最後を飾ったのは、22年ぶりにグラミー賞に帰ってきたビリー・ジョエルだった。 16年ぶりとなる最新シングル「Turn the Lights Back On」をライブ初披露した彼は、式の最後に1980年の名曲「You May Be Right」を披露した。 中継前の部門では、ダブル受賞を果たしたジェイソン・イズベル(最優秀アメリカン・ルーツ・ソング賞&最優秀アメリカーナ・アルバム賞)、クリス・ステイプルトン(最優秀カントリー・ソング賞&最優秀ソロ・パフォーマンス賞)、フレッド・アゲイン(最優秀ダンス/エレクトロニック・アルバム賞&最優秀ダンス/エレクトロニック・レコーディング賞)の躍進ぶりも特筆すべきだろう。 また、ザック・ブライアン、リル・ダーク、ペソ・プルマ、タイラがグラミー賞を初受賞。ジャック・アントノフは3年連続で最優秀プロデューサー賞(ノン・クラシック部門)を受賞した。ザ・ビートルズも1966年の『Revolver』に収録された「I’m Only Sleeping」で最優秀ミュージック・ビデオを受賞した。 ジェイ・Zは黒人音楽クリエイターに贈られるグローバル・インパクト賞を受賞するために会場へと駆けつけ、グラミー賞の問題点を炙り出すという昔からの伝統に触れる機会を得た。スピーチのなかでジェイ・Zは、ヒップホップや黒人アーティストとレコーディング・アカデミーの(控えめに言っても)長く複雑な関係ーービヨンセの件に加えて、キラー・マイクの拘束、2015年以来初めて授賞式の中継でラップ賞が授与されなかったことでも強調されたテーマについて掘り下げ、「私はただ、みなさんにしっかりやってほしいと言ってるんです」と語った。 WOWOWでは本日2月5日午後10時より「第66回グラミー賞授賞式」字幕版をお届けする。
JON BLISTEIN