庄川温泉の旅館、電柱燃え全館停電 暖房、水道止まる、18時間後復旧
●客50人弱が宿泊 けが人なし 28日午後7時40分ごろ、砺波市庄川町金屋の旅館の電柱から出火、全館が停電した。従業員が間もなく消火器で消し止め、発生から約18時間後の29日午後2時ごろに完全復旧した。旅館によると、客約60人のうち50人弱がそのまま宿泊した。けが人はいなかった。旅館側が応急工事で一部の部屋の暖房を復旧し、携帯コンロで調理をして朝食を用意して対応した。 【地図】火災現場 旅館によると、出火直後に全館が停電、照明や空調、水道が止まり、ガスも使えず調理ができなくなった。宿泊客の多くは食事中で、従業員が客室を回って火事の発生を連絡、部屋での待機を依頼した。電気の早期の復旧が困難と分かり、宿泊客の一部は帰宅したり、別のホテルに移った。 地元業者が発電機を持ち込み、設備業者が旅館の配線につなぐ応急工事を行った。夜間に客室30室のうち15室で空調を復活させた。残る部屋は暖房が切れたままで、宿泊客は懐中電灯やスマートフォンの明かりを頼りに客室で一夜を過ごしたという。 旅館によると、体調不良を訴えた宿泊客はいなかった。朝食は携帯型のガスコンロや炊飯器で用意した。 ●高圧ケーブル火元か 旅館と砺波署によると、従業員が旅館の敷地内にある電柱から火が出ているのを見つけた。旅館の改修工事用の足場を使って高さ約8メートルの出火部分に近づき、消火器で消し止めた。 砺波署と砺波地域消防組合は29日に実況見分を行い、高さ約8メートルの電柱に架かっている高圧ケーブルが火元との見方を強めた。高圧ケーブルのほか、施設の改修のための仮設トイレの一部も燃えた。署は何らかの原因でケーブルが傷付き、発火した可能性があるとみて原因を調べる。