【ラグビー】東海大に黄金新人。コンラッド・セブンスターがもたらす野心と影響。
地に足がついていたというのだ。 東海大ラグビー部の木村季由ゼネラルマネージャー兼監督は、新入生のコンラッド・セブンスターに太鼓判を押す。 入試前に面談をした時点で好感触があったと、人物像重視の木村は言う。 「ビジョンを持っている学生だった。僕が1を質問したら、10の答えが返ってきました」 ワールドカップ2連覇中の南アフリカから、NO8とCTBができるヘンドリック・スミスとともに迎え入れた。時間を共にするほど、セブンスターには「日本人選手にも見習ってほしい」と思える側面がたくさんあると感じる。 「合宿中にも(大学の)課題をしている。非常に勤勉です」 日本語は目下、習得中とのこと。そのため「体育学部スポーツ・レジャーマネジメント学科」の授業に対応できるかは、気がかりとなろう。もっとも、それとて大きな問題にはなるまいと体育学部教授の木村は強調する。 「(授業は)教員ごとの対応に任せています。英語で大丈夫な方もいますし、(授業後の提出物に)少しでも日本語を書きなさいと言われる場所では(本人が)そのようにしています。まだ1年生なので周りのサポートを受けながらやっていますが、あと1~2年したらだいぶ、ぐっと(語学力も)伸びます」 戦力としても期待する。加盟する関東大学リーグ戦1部が中盤戦に差し掛かるや、セブンスターは先発の座をつかんだ。 グラウンド最後尾のFBに入り、ブロンドの襟足をなびかせ防御を置き去りにする。身長191センチ、体重93キロと大柄なうえ、モニュメント高時代に測ったという100メートル走のタイムは「12秒くらい」とのことだ。 右足を飛び道具にする。陣地の獲り合い、ペナルティキック時のタッチへの蹴り出しで、長距離砲を放つ。 さらには…。 「プレーのレンジが広い。味方にパスミスがあっても、それをさばける懐の深さがある。いろんなことになじんでくれば、もっと能力を発揮できると思います。大きく育てたいです」 木村がこのように称賛する大器は、10月28日、埼玉・セナリオハウスフィールド三郷にいた。この秋3度目の先発だった。日大とぶつかり、1点差を追う前半29分に勝ち越しトライをマーク。そのままリードを保ち、50ー34と打ち合いを制した。 「完璧なゲームではなかったけど、まずは勝ててうれしい。リカバリーして、次の試合も頑張りたい」 留学経験のあるWTBの岡村優太の通訳を介し、報道陣に発した。