「避妊」は禁止に? アメリカの女性たちが悲鳴。恐るべき「第二次トランプ政権」に不安が高まる
2024年の米大統領選挙は女性の生殖権の将来に多くの疑問を投げかけた。妊娠中絶が注目トピックになる一方、避妊に関する懸念も話題に上っている。 【写真】なぜ今、中絶 を「禁止」するのか? 分断されるアメリカで、中絶を"選べない"女性たち 今後、アメリカにおける避妊への道はどう狭まっていくのだろう?現時点で分かっていることを米専門家に聞いた。
主流の避妊法とは?
通常、日本で最も主流な避妊法として知られているのはコンドーム。だが各国によって主流方法には違いがあり、アメリカの場合はピルを使用する人も多い。また、そのほか下記のような避妊法がある。 ・ピル ・避妊リング(IUD) ・卵管結紮術 ・パイプカット(精管切除術) ・コンドーム ・リング ・注射 ・インプラント
2024年大統領選挙結果を受け、避妊は禁止されるのか?
ドナルド・トランプ次期大統領は「避妊を禁止しない」とは明かしていた。しかし、一期目には、特に保険の補償範囲の点で避妊をしにくくする政策を定めた過去がある。専門家はこれに注目する必要があるという。 「将来的に(避妊を禁止する)可能性は間違いなくあります」とジュリア・ストラッサー医学博士(ジェイコブス・インスティチュートのディレクター&ジョージ・ワシントン大学健康政策と運営学部准研究教授)。「既に、州レベルでIUDや緊急避妊薬の入手を制限する取り組みが始まっています」。 ジェニファー・ドライバー(NPO「State Innovation Exchange」の生殖権に関する上席ディレクター)は、避妊手段の入手に関して「まだ問題は残っている」と言う。人工妊娠中絶を受ける権利が憲法で保障された1973年の画期的なロー対ウェイド判決が2022年に覆された時(約50年間アメリカ全土で守られていた人工妊娠中絶の権利が最高裁判事9人の投票(6対3)によって覆された)、クラレンス・トーマス判事は、最高裁は中絶の権利や同性婚の権利を成文化した過去の判決を「見直すべきだ」と同意意見を書いた(この衝撃的なニュースはアメリカは勿論、世界で報道され、多くの著名なセレブや該当する州で生きる女性たちが抗議デモを起こしたことでも知られている)。 「それは、避妊という女性を守る選択肢が危機にさらされているという合図でした。また、州議会で、避妊を経口中絶薬と一緒にしたり、避妊を“妊娠中絶薬”と呼んだりしようとする試みもありました」とドライバーは言う。