長男“残金ほぼなし”も「返すつもりだった」 “26億円不正支出” 親子で共謀…送金先は「ペーパー企業」 豪遊、ブランド品…RIZIN運営会社に2億円貸し付け「スポンサーという認識」などとコメント
総合建設業ヤマウラの元社員とその長男が業務上横領の疑いで逮捕された事件です。長男は「金は返すつもりだった」と容疑を否認しているということです。ただ、金を受け取っていたとみられる長男の会社や個人の口座には残金がほとんどなかったことが分かりました。
■3億6000万円を横領した疑い
(記者リポート) 「午前9時前です。村田浩幸容疑者が松本警察署から出てきました。フードを被っていてその表情をうかがい知ることはできません」 眼鏡とマスク姿の男。業務上横領の疑いで逮捕されたヤマウラの元社員・村田浩幸容疑者(63)です。16日、身柄を検察庁に送られました。
長男で長野市の会社役員・村田俊樹容疑者(35)も送検されました。
親子は共謀の上、2023年2月、浩幸容疑者が経理を担当していたヤマウラの子会社の口座から3億6000万円を不正に引き出し、俊樹容疑者の会社の口座に振り込んだ横領の疑いです。
■残金ほぼなしも…「返すつもりだった」
これまでの調べで俊樹容疑者の会社は金を振り込まれた当日に総合格闘技イベント「RIZIN」の運営会社に2億円を貸付けていたことがわかっています。 また、キャバクラなどの飲食店の支払いやブランド品の購入などにも充てていたとみられます。 捜査関係者によりますと俊樹容疑者の会社や個人の口座には残金がほとんどなかったということです。 ただ、俊樹容疑者は「金は返すつもりだった」などと容疑を否認しているということです。
■送金先は「ペーパー企業」
なお、俊樹容疑者の会社は2021年に設立されましたが、登記上の辰野町の住所は容疑者の同級生の実家となっていました。重機のリースや建設資材などの事業とされていますが、捜査関係者によりますと営業実態がほとんどない「ペーパーカンパニー」だったということです。
■26億3800万円余り不正支出
ヤマウラの調査では浩幸容疑者が不正に引き出した金は2013年からおよそ10年間で26億3800万円余りにのぼっています。このうちおよそ23億円が俊樹容疑者の会社と個人の口座に振り込まれていました。 多額の金はどこにいったのか? 警察は全容解明に向け金の流れを調べています。
■RIZIN運営会社がコメント
なお、俊樹容疑者の会社が2億円を貸し付けていた「RIZIN」の運営会社はNBSの取材に対し「事件と弊社との関係は一切ありません」「村田俊樹容疑者はコロナ禍の大変な時期に、格闘技を盛り上げ応援していただけるスポンサーの一社という認識でした」「資金などが報道の通りとすれば弊社としても困惑するばかりです。今後の取引は当然控えさせていただきます」とコメントしています。