深刻な大気汚染の背景に「野焼き」、経済的苦境と政府の支援訴えるインド農家
インドの農家は、首都ニューデリーを覆う有毒なスモッグの原因の一つに挙げられている。 刈り株を取り除くための「野焼き」で発生した巨大な煙の柱が各地に到達しているためだ。毎年、冬の初めになると、農家は小麦を植えるために野焼きを行っている。ただ、農家らは政府の支援がなければ他に選択肢はなく、責められるべきではないと主張する。 パンジャブ州の農村で村長を務めるジャン・シンさんは、野焼きは違法だが、小規模農家は他の手段を選ぶ経済的余裕がないと話す。 政府は野焼きをせずに済むよう耕運機に補助金を出しているが、それでも多くの農家には高額だ。また機材を借りるにも長期間、待つ必要がある。 パンジャブ農家連合の事務局長は野焼きについて、汚染の原因になるほか、刈り株がエネルギー源になり得ることから機会損失でもあると指摘する。 ニューデリーの大気の質は今月、「危険」に分類された。24時間の大気汚染指数は先週、500中の494と最高値に到達。政府は車両での移動を制限し、学校にもオンライン授業の実施を指示している。