大阪迎賓館が予約制レストランに変身「独自の饗応料理を楽しんで」
大阪迎賓館が予約制レストランに変身「独自の饗応料理を楽しんで」
国際会議の首脳陣歓迎のために建設された大阪迎賓館がこのほど、予約制レストラン大阪迎賓館として新装オープンした。オープン前の内覧会が開かれ、シェフらは「フレンチでも和食でもない独自の饗応料理でもてなしたい」と意気込んでいた。
APECで各国首脳陣を迎え入れた純和風建築
五月晴れの空と新緑が美しい大阪城西の丸公園(大阪市中央区)。東に天守閣を見渡す大阪迎賓館は1995年、国際会議APECで参加国首脳陣を迎え入れるために建設。京都二条城の二の丸御殿の白書院をモデルにした純和風建築だ。長らく庭園の休憩所として利用されてきたが、一部を改装して予約制レストランとして新たなスタートを切った。 内見会では、大阪城パークマネジメントの代表者が大阪城公園全域で取り組む活性化プロジェクトの進行状況を報告。大阪市幹部が「大阪城内の新しいレストランが大阪の魅力向上につながると期待している」と歓迎し、レストラン事業を運営するバリューマネジメントの代表者は「食を通じて日本文化を発信していきたい」と抱負を語った。
かたちにとらわれない大阪発の饗応料理を
注目の料理は饗応料理。料理を監修したバリューマネジメント総料理長の石井之悠(いしい・しゅう)さんは「大坂城では料理人は主君の求める料理を作っていた。私たちも和食でもない、フレンチでもイタリアンでもない、あえて名付ければ独自の饗応料理で、主君であるお客様をおもてなししたい」と説明。「お客様がどんな料理をお好みなのか、どんな食材をどんな調理でお出しすればいいのか。お客様のご要望を聞きながら、持てる力を尽くして料理のコースを組み立てていきます」と補足する。 顧客の要望や予算、着席か立食を含めた宴会方法などを総合的に判断して、ふさわしい料理を提案するという。最大100人規模の宴会や婚礼宴会などに利用できる。庭と一体となったパーティも開催可能だ。 大阪を訪れる海外旅行者が急増し、昨年度の大阪城天守閣の年間入館者数が最高記録を更新した。顧客の要望に最大限に応えつつ、ひとつのかたちにとらわれることなく、さまざまな食材や調理方法を駆使して、ふところの深い独自の料理力を披露する。ホスピタリティの神髄ともいえる大阪発の饗応料理への関心が高まりそうだ。
詳しくは予約制レストラン大阪迎賓館の公式サイトで。 (文責・岡村雅之/関西ライター名鑑)